80〜90年代にかけて、街で見つけたヘンな看板や、面白いチラシを集めていた。いわゆるVOWネタだ。
今、それを見返したら果たして面白いのか。
引っ張り出して並べてみた。
(ほそいあや)
有名だが一応説明しておくと、宝島社の出している「街でみつけたヘンなモノ」を集めた本だ。 読者投稿型となっており、採用されると担当者のおもしろいコメントとともに掲載される。 当時、もし載ってたら興奮で鼻血だしてたと思う。
90年代はVOWを読みあさっていたが、パソコンが普及してからは、おもしろ画像というものが書店に行かずとも好きな時に好きなだけ見られるようになった。 そして、気付けばVOWの新刊をチェックする事もなくなっていた。
6年くらい前、当時パソコンを持っていなかった友人から「あなたが好きそうなものをみつけたんだけど、VOWネタまだ集めてる?」と手渡されたのがこれだった。
そしてそれからほどなくして、今度は職場の同僚のカナザワさんが「これ取っておいたから、折ってある所を見てみろ」と言って一冊のフリーペーパーを差し出してきた。
こんな感じで、面白広告が手元に集まるというよくわからない幸運にめぐまれているわけだが、たしか90年代もそうだった事を思い出した。もちろん自分で見つけたものもあるが、私がVOWネタ好きな事を知っている友人や家族が、ヘンな広告や看板を見つけては教えてくれた・・・ような気がする。
90年代前半、私は高校生だった。宝島社のVOWは全盛期で、自分もネタを見つけては「投稿しよう」と意気込んで集めていた。 しかし、集めたものを見返しては、本当に面白いのかよくわからなくなってしまっていた。そして自信のなさから、ひとつも投稿することはなかった。 でももったいなくて捨てられなかったし、投稿してないので手元にあるはず。
あった。集めておいて投稿しなかった珠玉のネタたちが。
さらっと目を通すが、18年くらい前なので面白さの感覚以前のなにかがつかみにくい。 そして強烈な懐かしさがこみ上げてきた。その感情がなければただのゴミだ。
時代の相違もあることだし、VOWネタになっているかどうかわからないけれど、一つずつ紹介していきたいと思います。 問題は、長い年月をまたいでいるので、自分では面白いのかどうか麻痺していてわからないということです。
通販のカタログの切り抜き。「アウトドアでのスポーツ観戦の防寒用に」と書いてある。 パッと見た時のマヌケさは覚えている。外国人を使っているのがかえって不憫さを強めている気がした。 じつはこれは、その後のVOWにも載っていた。自分が自信なくて送るのをやめたネタが載っていたので、少し自信が出たのは言うまでもない。
でも、当時からこれを保管しておいたということは、やっぱり飛びぬけてヘンだったのだと思う。
あと、こういったアンルイス顔のモデルさんは最近見かけなくなったが、90年代の初めまでは多かった気がする。眺めていたらだんだん20年前にいるみたいな気分になった。
90年代といえばテレクラである。お金をかけずに作られた広告が多いので、たまにすごくヘンなものがあったりする。
文章の勢いだけで攻めてくるもの。全体的なイメージは普通なので見逃してしまいがちだが、よく見るとテンションがおかしい文章が書かれているのだ。
次は、学習塾のダイレクトメールです。
当時塾を探していたこともあって、DMのたぐいは一応目を通していた。しかし母はこれを見て「ギョッピンなんて書いてあるから、ここはやめたほうがいいかもね」と言っていた。こんな事書くから、開封前から門前払いを食らうのである。
「花びら塾」というのも気になる。ハイテンションな雰囲気は伝わるけれど、勉強をしに行く場という事を考えると不安を感じて当然だと思う。全くキライじゃないけど。
当時はデジカメがないので使い捨てカメラを使っていた。 写りが悪くても補正できない。教室で撮った写真もダークな色合いばかりだった。こんな青春だったっけ、とちょっと悲しくなるほどだ。
VOW用の街ネタもごらんの通り、白黒写真みたくなっている。
以上(もっとあるかもしれないけど)、80〜90年代に集めた自分なりのVOWネタでした。
今後も集めます
さすがにもうVOWに投稿をしようとすることもないと思うが、デイリーポータルZには「コネタ城」があるので、こうした収集も無駄にせずにすむのだ。素晴らしい事だ。今後も目を光らせて行きたいと思います。