こどもむけの体験型ワークショップが集まるイベントが開催されるそうだ。
イベントの名前は「ワークショップコレクション」。サイトを見ると「新聞紙でタコ(海産物のほう)を作る」とか、「野菜をノックしよう」とか書いてある。この文章だけではまったく話が見てこないのだが、かなりすごいことになっていそうな匂いはぷんぷんする。
ということで会場を訪れてみました。
(text by 石川 大樹)
ワークショップのお祭りです
2/27、28に行われたこのイベント、大学のキャンパス内に80ものワークショップが集まっていて、来場したこどもたちはその中から自由に選んで体験できる。
工作から音楽、コンピューター、ゲームやクイズ、環境まで、分野はさまざま。その中のいくつかに、大人ながらもちょっとお邪魔させてもらおう、という魂胆でやってきた。
先に同行者を紹介しておこう。一緒に回ってくれたのは、エアギタリストであり、当サイトでは動画コーナーで活躍してくれている宮城さん。
おそらくライター陣の中でいちばん子供に近い、ピュアな感性をお持ちである。(ただしビジュアル的にはいちばん遠い。)
ばねを作ろう
二人でまず最初に参加したのは、「ボヨヨン!ばね工房」というワークショップ。名前そのまま、ばねを作るワークショップだ。
ばねとはまた渋いテーマだが、部屋にはいると、そこにはこどもたちがぎっしり。ばねを作りたいこどもたちがこんなにいるとは!
順番待ちの列に、僕と宮城さんもこどもたちにまじってならぶ。こどもの行列に僕が並ぶのはかなり浮くかと思ったのだが、ふだん大人の中でも浮いてる宮城さんがここでもあり得ないレベルで浮いているので、僕は5センチくらいしか浮いてなかった。宮城さんは50mくらい浮いてた。
そしてまもなく、順番がやってきた。
針金をねじるだけの簡単な作業。しかしばねの作り方なんて考えたこともなかったので、このやり方はわりと目からうろこである。
さあ僕らも作業だ。見てると簡単そう、でもやってみると意外と難しい、というのがこの手の作業の定番。
ばね、である。自分で作っておいてなんだが、「ばね、できた!」っていうこの状況。達成感よりも、シュールな状況だなー、っていう思いが先にたつ。
ただこれ、けっこうはまる。作るだけなら簡単だが、きれいに作ろうと思うと難しいのだ。まず巻きの幅を等間隔にするのが難しいし、幅ばっかりに気を取られていると巻きつけが弱くなって、ハンドルから外したときにゼンマイみたいに巻き戻ってしまう。
「これ、やればやるほどうまくなる系の作業ですよね」
と宮城さんのモチベーションにも急激に火が付いた。
2回目の挑戦で完全に職人化する宮城さん。その目つきは、いつかNHKで見た伝統工芸の職人のそれだ。唯一の跡継ぎ候補だった息子は上京してサラリーマンに。後継者獲得のための苦肉の策として、話題づくりのためにタンクトップにヒゲでマゲ、というユニークな格好で仕事に臨んでいる。
とは言ってないが、きれいなばねができてご満悦の宮城さん。
写真写りがいいのでついつい宮城さんのことばかりかいてしまうが、僕もかなり熱中した。「ビンに貼られたシールをきれいにはがす」系の、細かい作業大好き神経を刺激されるのだ。
最後にはきれいにパッケージングされて持ち帰れる。いまデスクの脇に飾ってますが、すごくわけがわからない。なにしろ「へたくそなばね」なんて生まれてこの方見たことががないのだ。