ミニチュア道路ができた
それでは、満を持してラクガキしてみましょう。
ローセキ自体の描き心地は、「固めのチョーク」ぐらいの感じだった。力を込めてガシガシ線を刻んでゆくのが心地いい。
また、作っているときはこのミニチュア道路がけっこう平らに出来ていたつもりだったのだが、いざローセキで描いてみるとちょっとデコボコしている。この点においてはそんなに描きやすくはない。鬼おろしで、ニンジンをすりおろしているような気分でもある。本物の道路は、もっと滑らかなはずだ。悔しい。
外に持っていって、より一層の「道路にラクガキしている感」を味わおう。
ああ…、道路にラクガキしている子どもからしたら、この道路全てがキャンバスなのだ。それに比べてこのミニチュア道路の小ささ…。
広々としたところ(って言っても近所の路地)に持っていったらこのミニチュア道路のイミテーション感が際立つ形となった。すこし悲しくなってきたのだが、そこは堪えて続けようと思う。道路で描きたかったことがあるのだ。
半分わかっていたけれども、電車ごっこは小さ過ぎて無理だ。
しかし、僕の作ったミニチュア道路は本物の道路にまったく及ばないなんて、面白くない。
なにかこのミニチュアならではの使い道はないだろうか。持ち運べることを生かしてメモ帳ががわりにしてみる?いや、持ち運べるといっても携行するにはでかすぎる。微妙な大きさの物を作ってしまった。
こう考えてみる。 …持ち運べるけれども、サイズが大きい。それってこの間アップルが新製品として発表したipadになんか似ていないだろうか。そうか、これはメモ帳と道路の中間に位置する新しいデバイスだ、というのはどうだ!ちょっとiphoneの画面を参考にロウセキでそれっぽくアイコンを書き入れてみよう。
ダメだ。ローセキは細かいものを描くのには向いていない。うまく行ったら、このセメントにローセキでラクガキすることを「ipadのペイントツール立ち上げだ」とか言おうと思ったのに。
あやしくなってきたので、この辺でまとめに入ります
・セメントをこねる作業は楽しい ・ローセキでラクガキするのは楽しい ・でも、道路に直接ラクガキするのはもっと楽しいんだろうな
欲求不満を募らせる終わり方になってしまった。そして、さらに気になるのは、近所にローセキで遊んでいる子どもが全くいないこと。みんな、ローセキでその辺にラクガキしても大目に見てもらえる、という貴重な少年時代を大切にして欲しいと僕は思うのだが。