小学生の頃の一時期、昼休みによく碁を打っていた。
小学生で囲碁とは、やけに渋い子供みたいだが、そんなことはなく実に小学生らしいルールでやっていた。
それは文字通り、碁を「打って」いた。いや、正確に言うと弾いていた。さらに言えば、「囲碁」ではなく「積碁」だった。(囲いもしたが)
(T・斎藤)
呆れるくらい小学生丸出し
それはこんなルールだった。
まずは碁盤の上に碁石を並べていく。 が、こんな感じで重ねて積む。 マス目は気にしない。
いくつか積んだら、その上にひとつだけ相手の石を置く。
これが王様である。
この王様を相手に崩されたら負け。 逆に相手の王様を崩せば勝ち。
指で弾となる碁石をひとつ弾いて、 交互に相手の山にぶつけて崩す。
崩れて他の石と重ならなくなったら、 その石は碁盤から取り除く。
こうしてお互いに石をぶつけて相手の山を崩し、 最後に相手の王を崩した方が勝ちである。
また途中でチャイムが鳴ったら、それまでにたくさん相手の石を取り除いた方が勝ちとなる。
小学生時代の昼休みを思い出しながら、石を積んでみた。
小学生の頃は相手の陣形が見えないよう間に敷居を立てて、全部積み終わったら「せいの」で敷居を外した。
碁石はありったけ、全部使って積んでいい。 白側の王(=黒い碁石)は、ライナー性の球に撃ち抜かれないよう覆い隠した。
いざ対戦
石を積み終えたらさっそくプレイ開始。
本当は誰かと対戦したかったがこの歳になって、このルールでやろうと仲間に声をかけるのは気が引けた。
というわけで、とりあえずはどんな感じだったか一人で再現してみた。
石は、自分の石があるところから半径1〜2マスの範囲内から撃つ。
(というルールだったが、やってるうちに忘れて好きなところから撃っている)
見ての通り、およそ囲碁の知的なイメージとは正反対の、頭を使わないゲームだ。
ああ、自由な小学時代。
どんどん崩れていく白に対して、磐石の構えを見せる黒。
正攻法で効果的に崩せない時には、 上から直接、王を攻撃するという手もある。
小学時代よりヘタになった。
小学生の頃はもっと思いっきり弾き飛ばしてズバーン!ガッシャーン!と豪快に崩したイメージがあったのだが、思いっきりやると宙を飛んで行ってしまって山に当たらない。そのためかなり勢いを殺して弾いたが、もしかしたら弾き方にはコツがあったのかもしれない。
黒がなかなか崩れないのに対し、白は次々と崩壊。
白も突破口を見出そうと、撃ち方をさまざまに変えて攻撃。
が、順当に崩していった黒側の、最後の一撃を食らう。
ちなみに、大人になったら気付いた点として、白と黒とでは碁石の材質が違い、白は表面がツルツルして滑りやすいのに対し、黒は滑り止め効果のあるツヤ消し。そのせいで、積みやすさ・崩れやすさにかなり差が出たように思う。(どうして小学生の頃にはそこに気が付かなかったんだろう?)
ルール無用
思えば、子供の頃はルールとか関係なくいろいろな遊び方をしていて、それはそれで面白かったものだ。
そういう精神を思い出して、人生ゲームとかモノポリーなども自由な発想でやってみたら楽しいかもしれない。現金でプレイとか。(それはダメだし、かえって不自由)
オマケ:撮影風景