古くから「安達ヶ原の鬼婆(鬼女)伝説」が残っている福島県・二本松。なんとその周辺にはオニババ関連のスポットが沢山あるらしい。
うーん、オニババってものすごく気になりますよね、だって鬼のババァだもん! そんなヒドイ名前ないでしょ。そして、オニババ関連スポットってどんなところなんだろうか……。
(絵と文:北村ヂン)
オニババに会いに行こう!
普段から変な生き物、妖怪、UMA、宇宙人などに著しく興味を持っているボクですが、最近特にガッチリ心をつかまれているのが「オニババ」。
オニババって……もう名前からしてスゴイですからね。鬼のババァですよ(もしくはババァの鬼)。こんなヒドイ名前をつけられた妖怪はどんなヤツなのか調べたところ。
旅人を出刃包丁で殺害しては、生き血をすすったり、生肝や人肉を食べたりしていた
とのこと……。
そんな恐ろしいオニババですが、もともとは心優しいおばあさんだったという……その辺のエピソードもグイグイ心をつかまれてしまいますよね。
なんだかんだあって頭がクレイジー・ゴナ・クレイジー状態になってしまい、オニババと化して生き血とかをすするようになっちゃうんですが、詳しく書いてるとそれだけで記事が終わっちゃうので、気になる人は各自インターネットで検索してね!
さて、そんなちょっと気になる憎いヤツ・オニババですが、福島県の二本松市にある安達ヶ原という土地には古くから「鬼婆伝説」が残っていて、様々なオニババ関連スポットがあるんだそうです。
オニババ関連スポット……どんなところなんでしょう。
色々すごい二本松の菊人形
……ということでやって来ました福島県の二本松。いきなり駅構内に菊が飾ってありますが、こちら二本松はオニババと共に“菊人形”でも有名な土地なんですよね。
“二本松”なのに“菊”で有名とはこれいかに。
取材に行った時、ちょうど「二本松の菊人形」が開催されていました。
個人的には、菊人形っていったら横溝正史の『犬神家の一族』での印象が強すぎて、なんか怖いイメージを持っています。
でも、全国的にも有名な“日本最大の菊の祭典”らしいので、せっかくだから寄ってきましょうか。
ジャーン、これが本物の菊人形ですね。これは大河ドラマ『天地人』でお馴染みの直江兼続かな?
ウッ……!
やっぱりちょっと怖いなぁ……。普通の人形を菊まみれにするだけで、なんとも言えないオーラを放つようになっています。何だろな、この感じ。
お坊さんも菊まみれ……なんですが、花が咲くのはこれからみたいですね。大自然に逆襲された人類……って感じの光景です。
もしくはモリゾーの着ぐるみを脱ぎかけの人。
こんなポップな菊人形もありますよ。桃太郎のシーンを再現している菊人形ですね。
恐ろしい赤鬼も、花まみれだと妙にトロピカルな雰囲気になっちゃいますね。
そして、こちらはシンデレラ城でしょうか。イルミネーションもキレイで、すごくよく出来ていますが。
えーっと、えーっと、どこにも菊が使われてないぞ?
……と思ったら、足下に一応菊が飾ってありました。でも、これは菊人形って言っていいんでしょうか?
オニババ in 菊人形
さて、このままだと菊人形を紹介する記事になっちゃいそうですが、実はこの会場にも問題の“鬼婆伝説”を菊人形で再現したコーナーがあったのです。
これがオニババですか……出刃包丁を振りかざして僧侶を追いかけているところですが、予想以上に恐ろしい姿です。こんなのに追いかけられたら確実に泣いちゃいますよ。
実際の菊人形はこんな感じ。これはまだオニババになる前の普通のお婆さんだった頃ですね。
なんとこれが、大がかりな舞台装置でガンガン場面転換されていきます。
ズゴゴゴゴ……と舞台下からオニババがせり上がってきました。無駄にハイテク!
そして……。
ああー、これは妊婦を出刃包丁で殺して生肝を抜いている場面ですね。こんな凄惨な場面なのに人形はキレーに菊で飾り付けられています。
出刃包丁を持って僧侶を追いかけるオニババも菊だらけ。
ものすごく緊迫感あふれるシーンですが、菊で飾り付けられていることによって、なんとなくハッピーな雰囲気が漂っている気がします。
菩薩様の矢に射貫かれて最期の時を迎えるオニババも菊まみれ。菩薩様の方こそ菊が似合うような気がしますが、なぜかそっちは書き割りです。
ほい、そんなこんなでオニババも退治されてめでたし、めでたし。