日本に武士道があるように、ヨーロッパには騎士道がある。
騎士の道。梅酒で晩酌しながらカメに餌をあげるのを楽しみにしているような男はまず通ることのない道なのだが、ドイツ剣術というものを通じて騎士道を学べるナイトスクールがあるというので、興味本位でいってきた。
そして騎士道を叩き込まれてきました。物理的に。
(玉置 豊)
いきなりドイツ剣術のトーナメントに出場だ
ドイツ剣術という初めて聞く武術を教えているのは、ネットサーフィンで出会った目白にあるキャッスル・ティンタジェルというところ。
ここのナイト(夜じゃなくて騎士)スクールの一環として、「第4回ティンタジェル・剣術トーナメント」という、どこかマンガチックな香りがする大会がおこなわれるというので、体験取材をさせていただくことにした。
少し早めに会場入りすると、大会出場者と思われるヨーロピアンな服を着た外国の方が、大きな剣をブンブンと振り回しはじめた。
この剣術大会というものがどういうレベルのものか全然わからなかったので、軽い気持ちでエントリーしたのだが、出場すると彼にあの剣で切られる訳ですね。
「…はぁ」という、言葉にならない、だらしないため息が出た。
でも劇団っぽい気もする
大会開始の時間が近づくと、正装というか仮装というか、よくわからないけれど中世ヨーロッパっぽい服装をした人たちが続々と集まってきた。
なるほど、大会の説明に「大会にふさわしい服装でご参加ください。」とあったのはこういうことか。
いわゆるスポーツの大会だと思って、Tシャツに短パン、運動靴を用意してきたのだが、どうも間違いだったらしい。
会場の雰囲気といい、皆さんのたたずまいといい、なんだか剣術大会というよりも、劇団の稽古場みたいな感じがする。これなら出場しても怪我とかはしなそうだ。たぶん。
ナイトスクール設立者インタビュー
この大会は本当に自分が出ても大丈夫なのだろうか。という疑問以前に、ここまで来ておいて今さらだが、ドイツ剣術ってなんなんだ。
出場する前にナイトスクールの設立者である Jay Noyes (ジェイ ノイズ)さんに話を伺ってみた。
15世紀の剣術家であるリヒテナウアーが立ち上げ、その弟子達によって磨かれた剣術です。その歴史は長く途絶えていたのですが、近年そのテキストが発見され、現代に蘇ったのです。
会社員、アーティスト、プログラマーなど様々です。中世に興味があってはじめた人もいるし、スポーツとしてやっている人もいます。やっぱりゲームやアニメの影響を受けている人も多いですね。女性のメンバーも結構いますよ。
というような話だったと思う。
ちなみに大会やスクールに参加するための服装については、基本的に本人が着たい服でいいそうです。よかった。