タイトルは日帰り出張とかけてます
先日、日帰りで大阪に出張した。
行き帰りとも新幹線で、まったく余裕の行程だった。ふだん会社に行くよりも落ちついた1日だった。
これなら朝会社に行くふりして新幹線に乗ってどこかに行っても、その日のうちに帰ってこられるだろう。もちろん場所によるが、けっこうな距離で日帰りが可能である。遠くの崖や鍾乳洞に行ってたのに、あたかも会社に行ってきたような顔をして家に帰ればいい。
日帰りは仕事だけじゃなくて、失踪だって日帰りが可能だ。
(林 雄司)
異界への扉はあけっぱなし
数年前、品川駅に新幹線が停まるようになって、新幹線への乗り換え通路ができた。
壁だったところに突然通路が現れたのだ。通路の先には「博多」とか「広島」など、遠い地名が書いてある。品川駅に書いてある行き先と言えばどんなに遠くても小田原ぐらいだ。異界への扉がいきなりあいたような気分である。
社会から逸脱できるドアが野放しになっているのだ。
ゲームでいえば後半になって通れるようになる洞窟だ
品川はオフィス街・乗り換え駅だからビジネス利用を見込んで新幹線の駅を作ったのだろうけど、逆に、仕事から逃げてどっか行ってしまう人もいるだろう。
例えば僕が午前中の会議に出ようとしたが、うっかり寝坊したとする。途中で会議に入っていくのは目立つし、できれば避けたいがここからF1にでも乗らない限り間に合いそうにない。F1なら間に合うとか子どもの頃と同じことをいまだに考える自分が嫌だ。
会社に行く電車はこのホームだけど、
ちょっと見るだけだから、見たら会社いくから
へー、自動販売機で切符買えるんだねー
あ、乗ってる!
かんたんに新幹線に乗れてしまった。以前から思いつめていたことでも実行に移すと意外なほど簡単だった。大人は自由だ。大人になってよかった。
きょうは失踪します
このままどこか遠くに行って、夜までに帰ろう。このままほんとに出奔する覚悟はない。理由を考えたり住むところを探したり大変そうじゃん。
新幹線なら福岡日帰りも可能だ。山陽新幹線には降りたことがない駅がたくさんあってとても旅情を誘うのだが、
高い。
片道20,000円だ。フラフラって行って帰ってきて40,000円を出す勇気もない。
新幹線のなかで時間があるので、各方面に連絡するとしたらこのタイミングだろうか。
何かありましたら電話ください、って言っといてもあんまりかかってこないものです(かかってきたら超面倒な件)
なんとなく選んだ目的地
仕事をあきらめざるを得ないような景色になる
降りたことがない駅ということで掛川を選んだ。ここからバスに乗っていけば御前崎に行けるらしい。台風が来たときのニュースでよく聞くが行ったことのない場所だ。
あと、失踪と言えば海、というイメージで選んだ。若人あきらの影響だろうか。