長崎の中心部は坂が多く、狭い道が多い。 なので車を運転しやすいとは言い難く、特にこれから免許を取ろうとする初心者にはなかなか大変なのでは、と思っていた。いや実際、自動車学校ではどうやって路上教習させるんだろう?とさえ思っていた。
それが、意外なトリックというか、抜け道というか、そういうのが用意されていたのだ。
(T・斎藤)
● プラクティス・モードでもいきなり難しい長崎の町
坂が多いここ長崎では、道が狭いところが多く車を運転するには気を使うことが多い。 その上、路面電車も走っている。 初心者にはなかなか厳しい環境だ。
なので、長崎で免許を取るのは、他県で取るよりもだいぶ鍛えられるだろうなーと思っていた。
● 謎の道
ところで、何年か前の話になるが ある日、車を走らせていたらけっこう広くて良さそうな道が目に止まった。
「あれ?こんな道があったんだ。」 と思って速度を落としてじっくり眺めた。
広くて走りやすそうな道路だ。 この道はどこに続いてるんだろう?
行こうとしていた目的を忘れてそっちに行ってみようか、とも思ったがよく見るとチェーンがかかっていてここからは入れない雰囲気。
なので、この場はひとまずスルーして後で家に帰ってから地図でどうなってるか調べてみた。
以下は、グーグルマップで見た図。 赤矢印の先が問題の道路だが、その行き着く先を下に向かって辿っていくと…
調べてみて驚いた。
なんとその道は、自動車教習所のコースの中へと続いていたのだった。
● シークレットロード?
ウルトラセブンでは、ウルトラ警備隊だけが走れる秘密の専用道路というのがあったが、それと同じ類のものだろうか?
つまり、
これから免許を取ろうという初心者に長崎の狭い坂道は難しい! ↓ 専用道路で抜け道?
しかし、それにしてもちょっと距離長くないだろうか? こんな長い私道ってちょっと聞いたことが無いぞ。
● 自動車教習所へ
ことの真相を得るため、自動車教習所に話を聞きに伺った。
● 私道でした
確認してみたところ、たしかに(あんなに長いにも関わらず)自動車学校の私道とのこと。以下、話を伺ってわかったことを箇条書きで。
・元々は、昭和57年の長崎大水害の時に、付近一帯が崩壊してしまったことから道路を作ることになった。 (⇒ 初心者が運転しやすいように、ではなかった!)
・教習所の私道だが、一般の車も通行している。
・が、近隣住民の要望により、結局今も通行不可にはしていない。
・実際、すごく便利な道で、ここを通ると市街中心部まで凄く近い。
・夜間の閉鎖や、有料にすることも検討したものの、道路としてのニーズが高いため、結局は現状のようになっている。
現実問題としてのシークレットロード
たしかに地域社会への貢献というのは企業の役割のひとつとして重要だろう。が、今回の道路みたいに、これほどよく使われている便利な道だったら、本来市とか県とかが買い取って市道や県道にするべきでは?とも思った。竹の子が生えていた辺りとか、土地もけっこう余ってる感じだったので、その辺りも含めて丸ごと買い取って整備したら、けっこう有効利用できるんじゃないだろうか?
と、なにやらデベロッパー気取りなコメントをついてみたところで終わります。
取材協力:あたご自動車学校