大分まで弁当を買いにいってきました
見てきてジャーニーとは? 「ちょっと見てきて」のなかで、なかなか見てきてくれないところを、デイリーポータルZのライター陣が旅をしながら見てくる企画です。
当サイトの投稿コーナー、「ちょっと見てきて」。 おかげさまでたくさんの「見てきて」と「見てきた」が寄せられています。 けれども、中にはなかなか「見てきた」の投稿がない「見てきて」があります。 今回は年末特集として、そのなかなか見てきてくれない「見てきて」の中から、我々編集部の心をつかんだ場所に行ってきました。
第1回目の今日は、わたくし工藤が、大分と熊本の5カ所の見てきてを見てきました。
(text by 工藤 考浩)
弁当の「いたい」
まずはちょっとこの「見てきて」をご覧ください。
ネットで「弁当のいたい」さんを見つけました。大分市に行った時は焼鳥を買いに行こうと思います。駐車場が有りか、また営業時間を見てきてください。お願いします。−ちょっと見てきて:駐車場が有りか、また営業時間を見てきてください
僕はこの投稿にとても魅力を感じました。 情報は大分にあるお弁当屋さんというだけで、おいしいかどうかは一切書いてありません。 でも、その情報の少なさが僕を惹きつけました。 なにか行間に隠された、暗号めいた物を感じたのです。 ひょっとしたら、このお弁当屋さんは、知る人ぞ知る、隠れた名店なのではないかと。
考えれば考えるほど、僕の「いたい」さんへの思いは高まります。 もう居ても立ってもいられない気持ちで、羽田から飛行機に乗って大分に向かいました。
弁当のいたいは大分駅から電車で4駅先の大在というところにあります。 空港から大分駅へ向かい、そのまま電車に乗り込みました。 朝早く家を出たのでお腹が空いていますが、いたいの弁当を食べるため、お昼ご飯も食べずに大在へと向かいます。
なんとなくアルフィーっぽい駅名が並んでます
駅からは少し遠い
歩くべき方角を確認し、駅から国道沿いを歩きます。
このあたりは日本文理大学が近くにあり、単身向けのアパートが多いせいか、お弁当屋さんがあちこちにあります。
中には空き家になったお弁当屋さんらしき建物もあって、もしかしたらいたいさんは…と不安になりますが、おいしいお弁当にありつけることを信じて、ひたすら歩き続けました。
しばらく行くと、道路標識に弁当のいたいがある地名の「城原」という文字が表示されていました。 たぶん、このへんのはずです。
クッキングハウスにも魅力を感じる
きっとこの近く
おなかすいた
知らない町を歩いていると、ただでなくとも不安なものですが、その上に「知らない弁当屋さん」を探しているので、その不安は倍増します。 おまけに空腹も手伝って、なんのために歩いているのかよくわからなくなってきました。 こういうときは思考がどんどんネガティブになってしまいます。 なんにも情報がない弁当屋さんのために、飛行機に乗って大分まで来ているという状況が、やっぱり変だということに気づいてしまいました。 不安や疑問がピークに達した頃、交差点の先にお弁当屋さんが見えてきました。