12月6日に東京へでかける機会があった。東京へいったら、銀座にある岩手県のアンテナショップ『いわて銀河プラザ』を覗いてみようとおもっていた。そしてせっかく立ち寄るからには、岩手からなにか持っていきたいなと考えた。 そんなわけで、岩手でつくった雪だるまを銀座まで運ぶことにしました。
(櫻田 智也)
いわて銀河プラザ
東京都内には、多くの県が地元の食品や工芸品、情報などを展示・販売しているアンテナショップがあり、岩手県も『いわて銀河プラザ』を銀座に出店している。それは知っていたのだが、東京に遊びにきた岩手の人間がわざわざ岩手のショップへでかけることもないだろうと、これまで立ち寄ることがなかった。
有楽町駅近くにある『北海道どさんこプラザ』
ただ、ほかの県を覗いてみると、なかなか面白いし活気もある。となると当然地元の具合が気になるわけで、今回の上京中にいってみることにした。 そしてせっかくだから、当地からなにか「岩手の今」っぽいものを持っていきたいなとおもい、
そういえば雪が降ったな
「あ、雪だるま」ということで、決定した。
雪だるまのために
東京へいく前夜、まだ見ぬ未来の雪だるまのためにプレートをつくった。
おもいのほか可愛く仕上がった。ニンテンドーDSで美文字トレーニングをやった成果もでているように感じる。
早起き
「その日につくった雪だるまを産地直送だ!」 永久凍土もとかしかねない熱い気持ちで、出発の朝になってから、ぼくは慌ただしく山へと向かった。じつはまだ山くらいにしか雪が積もっていないのだ。しかも1週間前に降ったその雪さえ、このところの暖かさでだいぶ減ってしまっている。
1週間前に降った雪を使うのであれば、今日つくろうが事前につくって冷凍庫へ入れておこうが同じという気もちょっとした。
雪を転がす
やっときれいな(色白の)雪だるまをつくれそうな場所がみつかった。さっそくとりかかろう。
それ
あたらしい雪ではないので、ふわふわというより少しサラサラしている。雪だるまづくりには、あまり向かない雪質のようだ。だが、つべこべ言っている時間はない。新幹線は雪だるまを待ってはくれないのだ。
いきすぎ、いきすぎ
あぶない。あんまり奥へ行くと、なにかと間違われて撃たれてしまうかもしれない。
撃たれる直前のビッグフット
命をふきこむ
夢中で転がしていたが、あんまり大きなものを新幹線に持ち込むのはむずかしい。手頃なサイズでなくては。
こんなもんかな
だがこれではただの雪の玉。雪だるまにするには、愛らしい顔が必要だ。
顔セット
持ってきた顔セット。雪だるまの顔といえば、やっぱり炭でつくるのが理想。 そんなわけで、丸めた玉に木炭を埋め込んでいく。
目をつけて……
呪い?
なんだかものすごく怖いものができあがった。これでは「お土産」というより、「いわて銀河プラザに恨みを持つ人間の犯行」である。
呪いを封印
ボディもつくって
とりあえずできあがった魔除けの色白人形。このまま丸出しで東京へ持っていって公安にマークされても面倒なので、銀紙で包むことにした。
ホイルで包んだのには、公安にマークされないためという理由のほかに、雪だるまが割れないようにという祈りにも近い思いがある。それを言ったらもっと切実なのは、雪だるまをとかさずに東京へ運べるのかということだ。 そう、勝負はこれからなのだ。
はしゃいでる場合ではない