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フェティッシュの火曜日
 
卵を断固拒否する祭り

ひょっとこが「撒く?撒かない?撒く?撒かない?」とユーモラスに撒く
そして各山車にあったのが餅撒きならぬ餅垂らし

ひもの先にはクリップがあって餅やお菓子などをつける(なんとここではあのハム太郎が!)
山車の上から観衆の手に届くか届かないかくらいで上下する。子供にはそりゃあ楽しい遊びだろう。

傍から見ていると100円しなさそうなものに飛びつく人々にびっくりする

餅撒きの熱狂

人間には二種類あって、それは餅撒きに参加する人と参加しない人だ!と言った返す刀で、地域にも二種類あって、それは餅撒きをする地域としない地域だ!と言いたい。僕はしない地域に育ったので餅撒きに参加しない、というか燃えたぎる思いがない。

餅撒きの現場を見たことがあるだろうか?燃えて、たぎってる。恥も外聞も捨てて、ひとついくらもしないであろう餅を呼び込むべく声を張り上げ手を伸ばす。しかしそこにあるのは餅が降ってくるか来ないかとそれだけのことなのだが、大人も子供も平等に天からの恵みを口を開けて待つ。

餅の下の平等、炭水化物の下の平等がここに達成されていて、参加してこなかった僕は毎度ながらなんかすげーと思わされるのだった。


この格好は強卵式の頂戴人?どいつもこいつも卵拒みそうな頼もしい面構えだぜ
と思ったら、福撒きの人たちだった。まだ撒くのか。

狂騒、一体どんな福がばら撒かれているというのか!?

撒かれていたもののひとつ。たわし。

「たわし、たわし、たわしーっ!たわし、ちょうだーい!」に見えてきた

「なんでもいいからちょーだーい!」と子供が叫んでいた
「ひんなふへえふぁ(みんなすげえな)。」

「あ、どうもこんにちは。筆者の大北です。」

この祭り、何でたまごかっていうとここの神様は鳥なんですね
だから鶏肉と卵は神様のお使い扱いなんです。食べたらバチがあたります。

当日売られていた「卵」はお団子なんでした。そのまま食べたら味がない。

鳥の神様だから卵はだめなんです

場内のアナウンスでも「今日は例大祭だから神様の力も高まってます。バチも倍になってますので鳥や卵は食べないでください。」と、只今バチ増量中であることをお知らせしていた。

屋台を見渡しても卵や鳥が売ってるところはない(大判焼き屋はあやしかったが)。珍しいのでお団子の「卵」を買ったり焼きそばを食べたりしてたらのどが渇いた。

何か飲み物を、と思ったがなんと卵同様ジュースも売ってない。もしかしたら鳥とジュースの神様だったのかもしれない。

強卵式までは時間もあるので外に飲み物を買い求めに。ところが外にも何もないところだった。


自販機を探しに行きました

そしたら牛を見つけました

さほど大きくない境内に人が詰まってきた。頂戴人一行が登場。

強卵式がはじまりますよ

のどはカラカラだったが強卵式のために戻ってきた。(結局手水飲んだ。)牛を見れただけでもよしとしたい。

ところで、そもそもなんで卵を無理に食わせるのか?という話だけれど、その昔鎌倉時代に当時の将軍が百日咳をわずらったので、治りますようにとそのお母さん(北条政子)が鳥と卵を断ってこの鷲宮神社にお祈りをした、そんな故事に基づいているそうだ。

昔の人はおもしろいこと考えるんだなー、と思ってるとこの儀式の開始は平成13年。21世紀生まれだったのだ!プレステとかのほうが古いのだ!


いよいよ強卵式が始まります

天狗登場!ちゃんとした名前は猿田彦命。交通安全の神様だと聞いて、「ギャルなあの子が家ではばあちゃんの介護してるんだってさ」的気分に。
 
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