静岡県の真ん中付近にある岡部町というところに、古くから伝わる「朝比奈大龍勢(あさひなおおりゅうせい)」という伝統行事が2年に一度開催される。 龍勢というのは古代のロケットで、以前当サイトで林さんが紹介した埼玉県秩父市吉田の「龍勢まつり」(→こちら)と同じく、やぐらからロケットを打ち上げるお祭りだ。 吉田の龍勢は昼間のみの打ち上げだが、こちらの朝比奈大龍勢は夜の打ち上げもあって、それがきれいだというので見学してきた。
(工藤 考浩)
シャトルで会場へ
朝比奈大龍勢の会場へは、JR静岡駅からバスに乗り岡部町中心部で降り、そこからシャトルに乗って向かう。 ロケットの打ち上げ会場にシャトルで行くというとすごい話しに聞こえてしまうかもしれないが、シャトルというのはもちろんシャトルバスだ。
バスの乗り場には、比較的年配の方が多く、若い人は少ない。たぶん僕はかなり若い部類に入る。 龍勢の打ち上げ開始は12時からで、それに間に合うように早めに出てきたのに、すでにバスの中はにぎわっていた。
お祭り会場はお祭り気分
10分ほどバスに揺られ、大龍勢打ち上げ会場に到着した。 人の数はそれほどでもないが、周囲の田んぼには場所取りのブルーシートや桟敷が組まれていて、賑やかな雰囲気だ。 どのくらいの規模のお祭りなのかわからないまま来たのだが、会場の様子を見て「これは楽しいお祭りにちがいない」と思った。
巨大屋外宴会場
会場の場所取り済みの、ほぼすべての所にガスコンロや七輪が置かれていて、さらに大量のビールや酒が準備されている。 場内の広場にもやきそばや串焼きの屋台も出ていて、こちらのテンションも高まる。 ようするに、ロケットを見ながら宴会をするという祭りのようだ。
龍勢のひみつ
龍勢は古代ロケットだ、といってもイメージがわかないと思う。 会場で配られていたパンフレットには下のように解説されていた。 この龍勢は、地域の連とよばれるチームごとに打ち上げられ、それぞれの連ごとに製法が伝承されているそうだ。
準備がはじまった
龍勢を発射するやぐらは、数百メートル離れたところにある。 事前に調べたところによると、発射されずにその場で爆発する場合もあるそうなので、安全策だろう。 カメラの望遠レンズをのぞくと、やぐらの上で準備作業をしている様子が見えた。