千羽鶴などに使われる、標準的な折り紙の鶴。 この鶴は本物のタンチョウヅルとはちょっと形が違うように思う。 実物の鶴により近い折り鶴を、生きた鶴を見ながら折ってみよう。 そういう企画を思いついた。 思いついたのはいいのだが、この企画にはいろいろな罠が待っていたのだ。
(工藤 考浩)
あの鶴は鶴じゃない
折り紙の「鶴」はどうして鶴に見えるのだろうか。 実際の鶴よりも、折り紙の鶴を見る機会が多いので、ともすると、折鶴こそが鶴の形なような気がしてしまう。 しかし、この鶴はちょっときれいすぎるのではないか。 実物の鶴はもっとこう、ワイルドというか、動物としてもっと肉々しいと思うのだ。
北海道へ
さっそく、本物の鶴を観察するために北海道へ渡った。 というのはウソで、先日当サイトの6周年企画で(→こちら)北海道に行ったときに、釧路空港で帰りの飛行機に乗るのでついでに鶴を見てこようと思ったのだ。
鶴を見られず
鶴が釧路地方の人里にやってくるのはもう少し寒くなってからだ。 そのため、野生に近い状況を観察できる、タンチョウ観察センターのようなところをあらかじめいくつか探しておいた。 そこへ行く交通手段(バスしかなかった)も調べておいたのだが、その時刻表を読み違えてしまい、現地に着いてから観察センターに行けないことに気づいた。
企画変更
たとえばタクシーを使うなど、あらゆる手段を駆使すればタンチョウの観察所に行けたのかもしれないが、考えてみたら上野の動物園にもタンチョウはいる。 野生のを見ないんだったら、動物園で充分なんじゃないだろうか。 わざわざそこまでして見にいく必要もないではないか。 というわけで、上野動物園で鶴を見ながらリアルな折り鶴を折ることにした。
いましたタンチョウ
上野動物園でタンチョウを見つけた。 正しくは、タンチョウを見つける前に、「タンチョウ」という写真を見つけた。 やはり、折り鶴とは姿がちがう。 と、写真を見て思った。 だったら最初から写真を見てリアル折り鶴を折ればよかったのではないだろうか。 まあいい、来てしまったんだから本物を見ながら折ろう。