「イケのタコ入ってませんか」(もう業者っぽい口調になっている)と念仏のように繰り返しながら市場をさまよう。
1時間ほどそうやって市場の中をうろうろしていると、さっき小タコを売っていたブースの人が僕に気付いて「**さんとこにタコ入ったってよ!」と教えに来てくれた。他店を勧めてくれるなんて、なんと気前のいい人なんだ。
すぐさま教えられたお店へ走ると、そこには見るからに新鮮そうな巨大なタコの足が2本入っていた。お店の人に聞くと、イケは今これだけしかないねー、と。どうやらたまたま一匹入ってきたタコをばらして競り落としたようだ。 |