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ひらめきの月曜日
 
人それぞれの「おやつ300円まで」
林さんセレクションより

 子供の頃、とても楽しみにしていた学校の遠足。どこかに出かけることそのものの楽しみに加え、遠足の準備としておやつを用意するのがとても楽しみだった覚えがある。

 そして、しおりに書いてあった「おやつは300円まで」という言葉。300円を限度におやつを持ってきてよいという掟だ。

 学校や地域によってはこうしたルールのないところもあったり、額が違ったりするようだ。ただ、それでもおやつ300円(変動あり)ルールというのは広く知られたものだと思う。

 300円。大人になった今、そのルールでおやつを買ったらどんなチョイスになるだろうか。実際に調べてみました。

小野法師丸



●大人の遠足シミュレーション

  大人になると、「遠足」という行事はない。動物園や遊園地に行くことがあったとしても、それは別に遠足という枠で行くものではなく、余暇として自由にいくものだろう。そのおでかけにおやつを持っていくにしても、金額のルールを定める人はほとんどいないと思う。

 それが大人になって得た自由だと思う。それはすばらしいことだと思う。


遠足気分でおやつ買うぞー!

 今回はその自由を一旦返上しよう。明日遠足があって、おやつを300円分買って持ってきてもよいと仮定したら、人はどんなものを選ぶだろうか。

 いろいろな人がどんな風に選ぶか調べたいということで、デイリーポータルZ編集部のみなさんにも協力してもらった。古賀さんと石川さんである。


おやつ用の300円をもらって出陣

 おやつの解釈は買う当人におまかせすることとする。さあ、おこづかいをもらったらスーパーの店内に入ってお買い物タイムである。各人思い思いの売り場に散らばっていく。

 企画した者とは言え、私も自分ならどうするかと思ってやってみた。うーん、いろいろ気になるものがあるぞ…。


おお、ぎりぎり買えるぞ!
ウインナーもいいな…

 買いに行ったのがおなかが空いているタイミングだったこともあってか、厚揚げの肉味噌あんかけやウインナーといったものが気になりだす。ほんとにこれ食べたいから、いっそこれにしようか、とも思うが、これはどう考えてもおかずだろう。

 かなり迷ってレジで精算。他のみなさんも会計が終わったようだ。どんなものを買ったか見せてもらおう。


古賀さんセレクション
まず最初にビールを手にしてしました

 まずは古賀さんのセレクトだ。ビール的なアルコール飲料、おこし、ツナマヨ味のおせんべいだ。

「やっぱりまずはビールです。あとおつまみと、それから甘いものも食べたいし…。あ、チョコは溶けると嫌なので避けました。それから遠足なので、あまり荷物にならずコンパクトにまとめられるようなものにしました。」

 さすが大人だ、ひとつひとつの言葉が理にかなっている。子供の頃はクラスに一人くらいうまい棒を30本買ってきてしまう奴もいた気がするが、さすがに構成力が違う。

 そうした大人としての力を見せつつも、「もしも計算間違えてて、レジで300円超えてたらどうしようかとずっとドキドキしてました」との言葉も。確かに計算については子供の頃もそんな気持ちだった気がする。


石川さんセレクション
おやつ解説もうれしそう

 石川さんのセレクトはシンプル。ドライパイナップルとブラックチョコレートだ。

 大人感漂うチョイスだと思うが、実はおやつ選びに一番最後まで迷っていたのが石川さんだった。考えに考え抜いた選択なのだろうか。

「果物が好きなので、フルーツ系でいろいろ迷った末に選んだのがこのドライパイナップル。おいしそうでしょう。いっぺんに全部食べきれなくても、保存に便利なチャックがついてるし。」


確かに

 そんなことまで考えているのはさすがに大人だ。そしてこのパイナップル、色つやが濃くて実においしそう。

 チョコレートは本当は個包装になっているものが欲しかったそうだが、300円の枠の中だと選択が限られるので板チョコタイプにしたとのこと。優先順位を考え、妥協できるのも大人ならではだ。

 しかし石川さん、店内ではまずカゴに梨をひとつ入れて歩いているところを見たのだが…。

「梨についてはよくよく考えてみて、お弁当に入れればいいと思い直しました。」

 なるほど、単にあきらめるのではなく、ルール内で自分の意志を遂げようとする発想の転換だ。これも実に大人。精算前に携帯電話の計算機能で300円かどうかも確認したというのも、できるビジネスマン風だ。

 ところで私はこんな風に選んでみた。


小野セレクション

 4個入りのおやつチーズを2種類、そして1個売りのマシュマロとチョコだ。

 チーズのおいしさと栄養、そして細かいお菓子で無駄なくおこづかいを使い切るという戦術。自分では完璧に構成したつもりだが、チーズ率の高さゆえか周囲の人からは「ふーん」的なリアクションを得る結果となった。

 「チーズが大好きで…」と言葉を費やしても、他のみなさんに浮かぶのは「でも多すぎだろ」という表情。

 いいんだ、おやつは自分のために買うんだ。実際、帰りの車の中でチーズは全部食べてしまった。


 

 
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