秋ですね。自動販売機にもホットの表示が目立ちはじめてきましたが、あたたかい飲みものを買おうとして、まちがって冷たいほうのボタンを押してしまうこと、あったりしますよね。あきらめてそのまま冷たいものを飲むか、またお金をだしてホットのものを買いなおすか。どちらも悔しいですが、その選択肢の中に、「ひたすらこすってあたためる」というのを加えてみるのはどうでしょうか。
(櫻田 智也)
まず設定として
自動販売機でホットとコールドをまちがって買ってしまった。木枯らしが身にしみる。おなかもちょっと痛い。とても冷たいコーヒーを飲みたい状況ではない。仕方ないからもう1本買おうかと財布をみたら、あるのは1万円札と5円玉。切ない。 こんなふうになったら、もうひたすらこすって、摩擦熱であたためるしかないではないか。
さっそくつめた〜い缶コーヒーを1本購入する。
甘党なのでブラックのコーヒーは普段飲まないのだが、なんとなく何本も飲まなきゃいけないような展開になりそうなので無糖を選ぶ。
摩擦0分の時点では4.8℃
とりあえず購入直後の温度をはかったところ4.8℃。きっちり冷蔵である。 確認したところでコーヒーを飲みほし、もう1本購入する。はげしくこするつもりなので、蓋が開いた缶を使うわけにはいかないのだ。
そしてそのまま屋外で
うっかり冷たい缶コーヒーを買ってしまった小男。肩を落としている場合ではない。さっそくこすりはじめ、「つめた〜い」を「あったか〜い」にするのだ。
どうかポスターのダルビッシュと、真夜中に缶コーヒーをしごきたてるぼくとを、同じ男性として見比べるのだけはやめていただきたい。
こすります
このあたり、とくに書き記しておくような事柄はない。ただただ缶をこすっているだけだ。あえて言うとすれば、「なんかおれ、角度によっては笑瓶に似てるな」ということくらいだろうか。
ときどき温度を確認(よくわからない)
最初は冷たいばかりだった缶。外気にふれて表面に水滴が生じてすべるので、しばらくの間はこすれている気がしない。しかし10分、20分と経つうちに、確実にあたたまってきてる感がある。
手の温度。ちょっといいかげんな測定ですが
ちなみに予めはかっておいた手のひらの表面の温度は34.8℃。だまって握っていても、缶コーヒーはいずれこのくらいの温度にはなるということだ。 もうひとつ、外の気温は約14℃。油断するとすぐに冷たくなってしまう。
こすり慣れてきた
混ぜて中身の温度を均一にしながら
いろいろなこすりかたを試しているうちに、だんだんと自分のスタイルがみつかってくる。というか、缶をこすっている自分、それが自然なぼくの姿なんだって気がしてきたんだ。
ただ立っているだけのようにみえて……
みて! 指が高速で缶をこすっているわ!!
気づいたかい、ナンシー。
いよいよ測定
こすりつづけて45分。なんとなく缶が熱くなってきた気がする。中の温度がどうなっているのか知りたいという誘惑にも勝てない。あと、手がけっこう痛いしさ。
といわけで、蓋をあけて温度計をさしこんだところ!
さ、31.9℃!!
えー!! そ、そんなもんなの!?
だまって握っていても34.8℃だとか言っておいて、45分こすりつづけた結果が31.9℃とは。
結果、なまぬる〜い
ガッカリである。なんてこった。 とてもじゃないが、こんな結果のまま終わるわけにはいかない。
さて