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都会にもアリはいるのか
まず一つ目の研究テーマは「都会にもアリはいるのか」。いきなりその存在自体を疑ってみる。
ご存じのようにアリは土に穴を掘って集団生活を営んでいる。ならばコンクリートで固められた都会ではどうやって暮らしているのだろうか。
まずは都会の公園でアリを探した。 |
公園にはたくさんいます。 |
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そーっと近づいて。
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アリ捕獲。アリは動きが速いので写真を撮る時にはこうして透明のケースに捕まえるといいです。 |

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都心部でも公園にはもちろんアリは普通にいた。捕まえたアリは種類でいうとオオクロアリという体長5ミリ程度のアリのようだった。どこにでもいる普通のアリだ。
それではコンクリートに固められた都心部ではどうだろうか。銀座へやってきた。 |
都会にもアリはいるのか。 |
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びしっと整備された都会の歩道。 |
こういう穴にはアリがいそう、と思ったのだがいなかった。 |
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歩道、車道ともにアリはいない。それもそうだ、都会には予想どおり土の部分がまったくないのだ。歩道とビルの合わせ部分にたまに隙間や小穴があると、そこからアリが出てくるんじゃないかと期待して待ってみたのだが、やはり出てこない。都会にアリは住めないのだろうか。
そう思ってあきらめかけていたところ、歩道脇に低い街路樹の植え込みを見つけた。木が生えているということは土があるということ。土があれば、これはもしかしたら。
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そうだ、街路樹だ。 |
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あっ!
あった。植え込みのわずかな土にアリが巣を作っているのを発見。公園で見つけたものよりずいぶん小さく控えめな巣だが、まちがいなくアリの巣だろう。出てくるのを待ってみた。 |
巣がありました。 |
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巣から出てきたアリは小柄な種類のアリだった。調べてみるとその特徴から「ヒメアリ」の仲間だと思う。ヒメアリは土がなくても家のちょっとした隙間とか床下なんかにも巣作りしてしまうのだとか。なんという順応性。これが都会のわずかな土で暮らすノウハウに結びついているのだ。
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銀座に住んでいるアリ。 |
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