公園内の散策コースなので木の道が組まれてはいるが、一歩、道を外れればかなり鬱蒼とした森だ。この森ごとザルに入れて揺すったら、きっと会議室1杯ぶんくらいの虫が捕れることだろう。その中にはまだ見ぬカッコイイ虫がたくさん含まれているに違いないのだ。飛行機みたいな虫、超合金みたいな虫、フレディ・マーキュリーみたいな虫。その中の一握りでもいいから捕まえて、あとの2人をあっと言わせたい。燃え上がる野心に足取りも軽く、意気揚々と歩く。
さっそく出遅れる
そして3分も経たないうちに、安藤さんが「おっ」と声を上げて、網を振り下ろした。
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