この時点でもう「あきらめたほうがいいかもしれない」と思いはじめていた。しかし、このあとの出来事によって、なんだかあきらめることが許されないような雰囲気になってしまうのだ。
小学生が興味津々
この作業は近所の公園でやっている。水を使うので、部屋でやると水浸しになりそうだからだ。遊ぶ子供たちの声を聞きながら不器用な感じにモタモタやっていると、向こうから小学生くらいの女の子がやってきた。
小学生「なにしてるんですか?」
僕は全力で話しかけるなオーラを放っていたのに、小学生は汲んでくれなかった。「チューブでぐるぐる巻きになって涼しくなる」というアイデアをこの子供に説明しなければいけないのか。大発明のはずだったアイデアが、冷静に考えるとなんだか急に恥ずかしくなってきた。ここはうまくぼかしてごまかそう。
石川「工作。」
小学生「なに作ってるんですか?」
説明しなくていいようにあいまいに答えたのだが、相手は一向に空気を読もうとしない。こうなったら腹をくくる。
石川「これをこうやってつなげて(仕組みを説明)で、身体に巻いたら涼しいかと思って…。」
小学生「涼しくないと思う」
僕の大発明は15歳も年下の子供に一蹴された。そして次の瞬間、彼女は確かにこう言った。
小学生「仕事は何してるんですか?」 |