地獄
地獄というのは温泉の墳気が上っているのを見るところであって、入ったりはしない。温泉ってなんだろう?と一昼夜煮詰めて考えたあとで鍋の底に残った「温泉ハードコア」のようなものかもしれない。
要は熱すぎて入ったら死ぬ温泉。それがなんで地獄なのかといえばこの見た目だからだろう。
別府の鉄輪温泉というところにこの地獄がいっぱいあってそこをめぐるのが地獄巡りである。これが目玉となって別府は観光都市化していったらしい。
ここに行くと普通に観光してしまうのだろう、と危惧していたが目の前の湯気を見たらもうめぐらざるを得なかった。こんな風に人は湯気を目の前にして地獄に足を踏み入れてしまうのだろう。 |