市場の中もぎっしり
市場に入ったとたん、野菜と肉と魚の匂いに南国フルーツの甘さが添えられ、さらにゴムや干し草のような香りもプラスされた、今まで嗅いだことのない匂いに身を包まれる。
農村へ行こう
一夜明けて今日、前日に申し込んだツアーに出かける。ベトナムにはツアーを主催しているカフェがいくつかあり、大手はシンカフェという所。そこでいろんなツアーを申し込むと、格安でガイドも付いて、郊外までバスでびゅーんと行けてしまう。この日は日帰りでハノイ郊外のニンビンという農村に行くことにした。
バスにはありがたい事に冷房があった。少し走り、気持ちよく居眠りしていた時だった。けたたましいクラクションの大合唱にハッっとした。
バスの車体すれすれ、というかコツンコツンと接触しながらクラクションを鳴らし、洪水のように流れていくバイクたち。ヘルメットは任意なのでほとんどがノーヘルなのも恐ろしい。
もちろんバスの運転手も激しくクラクションを鳴らしていることは言うまでもないのだが。
ベトナムのバイクや車は、「一番最初に壊れる箇所はクラクション」らしいのだが、その点もとてもよくわかった。
ニンビン到着
3〜4時間でバイクの群れとはすっかり無縁の土地に来た。古い寺などを見てから手漕ぎボートで川下りに出た。水上は涼しくて快適。田舎っていいよね。
よくみればおじさんは足で漕いでいる。これは器用なワザなのか、行儀が悪いだけなのかは皆目見当もつかない。
この川下り、おおむね景色を楽しむのんきなものなのだが、途中で天井の低い洞窟を経由するのが怖かった。なにかにつけて怖がらせる国ベトナム。油断は禁物だ。
ちなみにこのニンビンのツアーでは日本人は私たちだけだった。
山にもどると日差しも少し傾いた頃だった。子供達は奔放に遊んだり、宿題をしたりしている。全員裸足だ。
ここはぎっしりしていないなあ・・・。今朝のバイクの大群がどこか遠い国の事のように感じられた。
とりあえずクラクションを鳴らす国
しょっぱなから奇抜なイメージのベトナムだったが、田舎の空気にふれると一気にリラックスしてしまった。 しかし帰りのバスの中から、今度は帰宅ラッシュのイナゴ大群に遭遇。あのぎっしりワールドに引き戻される。 でも、そんなベトナムも大好きだ。 いつのまにかさっきまでののどかな景色を忘れ、「今日こそは通りをすんなり横断するぞ。」とひたすら意気込んでいた。