ここまでやってきて何となく気づいてきたことは、本当は安全ピンには何の問題もなく、むしろ問題があるのは私の精神面じゃないかと。

だから安全ピン自体を安全にしようとするのではなく、精神的に安全ピンが安全であると思いこませる方法で攻めていこうと思う。

まずはこれ。

東急ハンズの商品札を模したものに安全ピンがとても安全であるとたくさん書いて、いかに安全ピンが安全であるかアピールだ。どうだろうか。安全ピンはとっても安全に見えるだろうか。

いや無理だ。こんな過剰にアピールしてくると逆に疑ってしまう。それ以前にこんな売られかたしない。これは安全がどうとか以前の問題だ。

次はどうすればいいのか。精神面で攻めると言ったけど、他にどんな方法があるのか正直なんにも思いつかない。

とりあえず今までの人生で得た知識を総動員して考えた案がこれらです。

これで安全ピンが安全だと思えた方はいらっしゃいますでしょうか。いた方がいるのならそれでいいです。僕は無理でした。

もうこれ以上ひとりで悶々と考えていてもどうしようもない。こういうときは人に聞くに限る。ハンズの店員に「安全なピン」があるか聞こう。

もちろん「安全ピンはありますか」と聞いたら安全ピンのところに案内されるだろう。しかし聞きたいのは「安全なピン」の場所なんだから、「安全なピンはどこですか」と聞く。それで安全ピンのところに案内されたらどうしようもない。

「すいません、安全なピンってどこですか」
「安全なピン？安全ピンのことですか」

と言い直され、安全ピンを売ってるところに案内されました。

あと言い直されてあっさり、

「はい」

と言ってしまったとことも記しておきます。

もうどうしたらいいか分からなくなって適当にネットで遊んでるうちに、ペーパークリップを安全ピンにする方法を海外のサイトで見つけた。

ペーパークリップには針がないので、それで作った安全ピンは真に安全なピンかもしれない。作り方は、

出来た物はかなりいびつだが、確かにこれには針がない。安全な安全ピンである。

とはいっても本当に安全ピンとして機能するのかかなり怪しい姿だ。つまようじみたいに布を通せないんじゃなかろうか。

これが真の安全な安全ピンだった。僕があれだけ悩んで見つけられなかった答えを見知らぬ外国人が既に発見してたとは。うれしいというよりは悔しい。

悔し紛れに一つ言わせてもらうと、成功した理由はおそらくマフラーだったからだ。マフラーは毛糸の目が粗いから出来たんだと思う。

あれ？それなら針の代わりにつまようじを付けたやつでもいけるんじゃないか。

一番最初に作ったつまようじの安全ピンが、ずっと追い求めていた「安全なピン」だったとは。ハンズでかいた恥はなんだったんだろう。

しかし最終的には、通す素材を変えるという方法で「安全なピン」を見つけることが出来たので良かった。