銅像や胸像などの像は屋外に置かれたが最後、様々な攻撃から堪え忍ばなければならない。とくに鳥のフン害は、生前とても立派だった人がもうめちゃくちゃのフンまみれになってたりしてすごくかわいそうだ。
だがこの時期、鳥のフンのような被害ではないが雪によってかわいそうなことになってる像があった。そのビジュアルがなかなか面白かったので、今回はそんな雪が積もってかわいそうなことになってる像を見て回りたいと思います。
(text by 小柳健次郎)
よく見ないと分からなくなってるそれ
それは最初見たときよく分からなかった。
あの物体までの道は雪が積もっていてこれ以上近づけないので、ここからだと長方形になにか載ってるようなものとしか認識できない。
ズームで撮影してみてそれがなんなのかようやく分かった。
胸像だった。しかし首から下の部分には雪が付いちゃって見えなくなってるので、もはや胸像というより首像だ。
それにしてもこの姿はとても寒そう。おもわずキャプションで勝手に喋らせてしまいました。
この角度からだと雪の部分が武士の裃のような服に見える。あとモヒカンだ。モヒカン侍。(※この胸像のモデルの方はとても立派な人です)
威厳が減ったりすごく増したり
先ほどの胸像を見つけたのは北海道大学の構内で、ここにはほかにもいくつか有名人の胸像がある。それらもどうなってるのか見て回った。
まずはクラーク博士。
こんな感じのマスクがあったようななかったような。そんなのが顔に付いてる。たぶん雪が積もるにはヒゲが最適な出っ張りなんだろう、雪もヒゲ型に付いてる。心なしか目もうつろ 。
このクラーク像は雪を被って威厳が減ったけど、次の新渡戸稲造像は逆になんだかわからないがすごい威厳というかパワーを感じた。
近づいてみた。
出た!と心の中で叫んだ。なにが出たのかはよくわからないが、とにかく「出た!」と思った。その感覚は実際に発見した人でないと分からないと思う。
とりあえずこの新渡戸氏の像は、世界一「出てる」像だと言ってしまいたい。
気づけばデジカメのメモリーがこの像をあらゆる角度で撮った写真でいっぱいだ。それぐらいすごいショックをこれには受けました。だいたいその頭の奇跡的な雪の乗り具合はなんなんだ。
念のため書いておくと、この日は大雪の降った日で運良く像に雪が残っていたからこれが撮れた訳で、普段からこんな雪積もりっぱなしにされている訳ではないです。