水族館の水槽の裏には、どんな世界がひろがっているのだろう。動物園はなんとなく想像がつくが、水族館はまったく想像がつかない。
その疑問を解消してくれる「バックヤードツアー」に参加してきた。
(text by ほそいあや)
寄ってくる動物たち
気のせいかもしれないが、ここの動物たちは人に近づいてくる。ガラス越しだがなんかうれしい。カメラを向けると吸い付いてくるそぶりを見せるので夢中でシャッターを切ってしまう。目と鼻の先に海洋生物がいるひとときを堪能した。 特にゴマフアザラシさんの直立不動っぷりは素晴らしかった。
本題にいきます
すみません。すっかり遊んでしまったが、ここからは勉強の時間。水族館の水槽の裏側にはどんな景色がひろがり、どんな事が行われているのか。
バックヤードツアーの所要時間は約30分で無料。職員のかたが細かい説明をしながら誘導してくれる。
ツアーに行ってきます!
これから、普段は見ることのできない舞台裏に堂々と潜入するわけだが、なにかこう、見てはいけない部分を見てしまうような後ろめたさがある。 文章にいちいち「ヒミツの〜」ってつけたらその気持ちが伝わるだろうか。
実際はそんなにヒミツっぽくはなかった。それよりバックヤードツアーの参加者で勝手にはぐれて機械のスイッチをいれたりバルブをひねったりするならず者が居たりしないのかは少し気になった。
そんなことを気にするということは、自分にちょっとそういう願望があるからだ。特に海水を引き入れるぶっとい管のバルブは本当に回したかったが、こらえた。
こう見えてしまうと魚料理店のいけすのようでもある。 各水槽には基準の温度とPH値が記載してあり、それを常にチェックするのが主な仕事だそうだ。水槽の数を考えると大変な仕事だと思った。一時も気を抜けないらしい。 昔、熱帯魚を飼っていた友人が常に色々と心配していたのを思い出す。水族館となればその比ではない緊張感があるのだろう。