デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ひらめきの月曜日
 
伯方の塩をつくりたい

■もうおわかりかと思いますが

伯方島で汲んだ海水を使えば、正真正銘100%伯方の塩ができるじゃないか!ということで、持ち帰った海水で塩を作ってみるぞ。

今回、海水から塩を作りにあたり、佐倉さんの記事を参考にさせていただいた。

伯方の海水はやっぱりきれい。
この海水ならおいしい塩ができるかも?と、期待がふくらむ。

汲んで数日たった海水はにごりもなく、変な匂いもしない。
ついでに潮の匂いもしないので、「私の知らない間に、普通の水に差し替えられたか!?」とあせったが、舐めてみたら確かに海水だった。

わずか〜に白い物が浮かんでいるだけで、無色できれいな伯方の海水。
舐めてみたら確かに海水だ。

 

■まずは沸騰

見た目はきれいとはいえ、今のままでは海から汲んできただけの水。
コーヒーフィルタでこして鍋に移す。

こした海水を鍋で沸騰させ、水分を飛ばしていく。
約1時間ほど沸騰させると、海水の量が半分以下に減ってきた。

この段階で何気なく舐めてみたら、
「しょっぱー!!」
ものすごく塩辛い。
かなり塩分濃度が濃くなってきている。

ちゃんと味わえるくらい塩が作れるだろうか。
もっと汲んでくればよかったかも…と思い始める。

コーヒーフィルタで不純物を除く。
伯方の海水を沸騰させて水分を飛ばす。
これで海水が3分の1ほど減った状態。

 

■フライパンでさらに沸騰

残った海水を再度コーヒーフィルタでこして、今度はフライパンに移す。

熱したフライパンに海水を移すと、量が減ってきていたのもあってさらに強く沸騰し始めた。

ここからの展開が早い。
フライパンで10分、海水を沸騰させていると、だんだん鍋底に白い粒子が見え始め、ぐつぐつと動いている。

最初は気泡かと思ったが、もしかして、これが塩!?
あとちょっとだ。

今度は伯方の海水をフライパンへ移す。
さらに水分を飛ばしていくと…。 フライパンの底で白くて小さな粒が動き始めた。

 

■煮詰め、焼く

さらに5分程度で、水分がほとんど飛んで白い塊になってきた。
フライパンの側面に塩がくっついてもったいないので、これもこそぎ落とすが、どんどん塩がくっついてキリがない。

念のため、さらにコーヒーフィルタでこしてみたが、一切水分は出なかった。
塩の塊をフライパンに戻し、今度はパラパラになるまで焼く。
おお、これで伯方の焼き塩だ。
量も、じゅうぶん味わえるほどできてきたので一安心。

ただ焼くだけでは塩の塊がゴロゴロ残るので、スプーンで塊をつぶしながら焼いてみる。
かなり必死でつぶしたが、売り物ほどサラサラの塩にはならず…。

とはいえ、無事に
「100%伯方の海水から作られた、伯方の塩」
が完成ー!

作った場所は伯方じゃないけど…。

ドキドキしながら舐めてみると、うまい!!
塩辛さが濃いのはもちろん、海の風味がある。

フライパンのまわりに塩がつくので、こびり落とした跡。
フライパンで沸騰させたら、水分はほとんどなくなっていた。
さらに焼いて水分を飛ばしつつ、塊をスプーンでつぶす。 できた!これが「100%伯方の塩」。

 

■3種類の塩を舐めくらべ

以下の3種類の塩をそろえ、味をくらべてみることにした。

  • 伯方の海水から自分で作った塩
  • 伯方島で買った市販の「伯方の塩」
  • 近所のスーパーで買った1本70円の食塩
皿にあけた時点で、3種類の違いはありありと出ていた。
食塩はサラサラとしていて白っぽく、伯方の塩はそれにくらべて粒が大きくて黄色っぽい。
そして自作の塩は最も粒が粗くて、色も濃く、手作り感丸出し。
見た目の段階で違いは明らかだ。


次に味だが、まず塩だけをたっぷり指につけ、舐めてみる。

まず食塩。
普通の塩だ。塩辛い味が舌に広がる。

つづいて、市販の伯方の塩。
「うまい!」
食塩の後に舐めると、にがりの風味というか、海の味がするのがわかる。

最後に自作の塩。
これもなかなかうまい。
海の風味は伯方の塩より強くてコクがあるが、塩気は弱い。
良くいえば丸い味だが、その中にうっすらおこげの味がする。
塩を作った際に、うちのフライパンのおこげの味が塩に移ってしまったのだろう。
もっときれいなフライパンを使うべきだった…。
塩は想像以上にデリケートだ。


次に、生野菜に塩をつけて食べてみる。
用意したのは、トマト、きゅうり、セロリの3種類。

トマトときゅうりをそれぞれの塩につけて食べてみたところ、食塩はただしょっぱい。
市販の伯方の塩は、しょっぱいだけでなく、野菜の甘さが引き出されていてうまい。
自作の塩も、伯方の塩同様においしいのだが、やや塩気が弱いので物足りない。
やはり市販の塩の方が塩気が強いようだ。

とはいえ、自作の塩もなかなか捨てたものではない。
むしろ、市販の塩よりいけるんじゃなかろうか。

なお、セロリはセロリ自身の風味が強く、塩の味がわからなかった。

違いがありありと出た塩3種類。
塩を舐めつづけて、かなりしょっぱくなってる顔。
塩を生野菜につけて食べくらべ。意外と違うぞ?

 

■3種類の塩を舐めくらべ

自作の塩の風味に満足した気持ちになったが、自分で作った塩なのでおいしいと感じるだけかもしれない。
他人の意見を聞いてみよう。

3種類の塩をフリーザーパックに入れて持って行き、友人たちに味を比べてもらうことにした。

なお、それぞれの入れ物に名前は書かず、バレないように持参したつもりなのだが…皿に盛っただけで、3種類の塩の見た目でやはりバレバレだった。

舐めくらべてもらったみんなの感想を総合すると、

  • 自作の塩は、「もろ海水!」という風味がする。
  • 自作の塩>市販の伯方の塩>食塩の順番で風味が強い。
  • 自作の塩は、これだけで酒のつまみにしたいくらいうまい。
  • とはいえ食塩も意外とおいしいので驚いた。

…と、「想像以上に差がなくてびっくりした」という結論に達してしまった。
1本70円という安価な塩でも、「うわ、まずい!」なんてことはなくてそれなりにおいしいのだ。

もちろんおいしさで言えば、自作の塩か伯方の塩の方がずっとおいしい。
飲み会の席だったので、持参した塩はそのまま、天ぷらにつけたりして食べられてしまった。
使っていただけて何よりです。

3種類の塩をフリーザーパックに入れる。
でもやっぱり、見た目からもうバレバレでした。
真剣に塩の味比べをしてくれる友人たち。 最後には、飲み会で出てきた料理につけたりかけたりして活用。

■しょっぱい思い出

自宅ではずっと「伯方の塩」を使っていました。
うちでも使ってるよ、という方も多いのではないでしょうか。
その伯方の塩のふるさとは、きれいな海に囲まれた小さな島でした。

動物は塩がないと生きていけません。
塩は偉大だ。
海は偉大だ。

と、話が大きくなってしまったのですが、我が家では買った塩も作った塩も消費しきれず、ちまちまと日々、用途に応じて使い分けております。

お酒のつまみにもいいです。
塩を舐めつつ、テキーラをちびちび。

 
 
関連記事
食のアマチュア きき塩大会
塩を撒く
海水から作った塩で海ごはん

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.