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ひらめきの月曜日
 
でかいピザが食べたかっただけなのに

 米軍基地内のピザはかなりでかいらしい。そんな話を聞いてしまったらそれはもう食べたくなるのが当然だろう。しかし実際、米軍基地にはフリーマーケットやフェスティバルの時以外にはなかなか入ることが出来ない。しかし今回、幸運にも内部に入ることのできる資格を持った方にエスコートしてもらう機会に恵まれたのだ。これはでかいピザ、食べに行くしかないだろう。

こうしてうかれて行ってみたら、ピザどころではすまなかったのです。

安藤 昌教



この先、アメリカ。

行くぜ、嘉手納基地

今回案内してもらえることになったのは戦闘機が日々離発着する嘉手納基地。実は劣化ウラン弾がたくさん保管されていることでも有名だ。そんなこんなでもちろん警備も厳重。僕たち部外者は特別な理由(敷地内での業務など)を有するか、もしくは関係者のエスコートがない限り通常は入ることが出来ない。

今回エスコートをお願いしたのはこの基地内で勤務するある日本人女性だ。仮にCさんとしておく。

基地のゲート前にある駐車場でCさんの車に乗せてもらった僕ら「外国人」はゲートを通過する前にビジターセンターというところで身分証明書を提示し、パスを発行してもらう必要がある。手続き自体は非常に簡単なのだが、これもエスコートがいることが前提だ。一人で乗り込んだら間違いなくここで帰されるだろう。

ここでパスを作ってもらいます。
こちらがパス。

文中で「僕たち」といったのは実はこの人写真家中川さんも一緒だったからです。
門番はきれいな女性でした。

ここが国境。

パスをゲートの門番に提示するとそのままCさんの車で入場することができる。門番の女性はきれいな人だったが、背中にでかいマシンガンを背負っていた。とたんに車内が静かになる。

しかし視線をマシンガンからゲート内へ移した瞬間、そこには別世界が広がっていたのだった。

これまで沖縄に住んでいてこれほど広大な景色を目にすることはなかっただろう。どこまでもまっすぐに伸びる道路は沖縄の高速道路よりもきれいに整備されているように見えた。いたるところに悠然と木々が立ち並び、芝はきちんと刈りそろえられ、流れる空気までもが一味違う。そう、フェンスを越えただけでここはまぎれもなく「アメリカ」なのだ。


アメリカは広かったです。
道はまっすぐに伸びていました。

お、戦闘機!(ディスプレイ)
お、アメリカっぽい倉庫!

 

うかれっぱなし。

何もかもが珍しい

車の車窓から道沿いにアメリカンなかまぼこ型倉庫や展示された飛行機を見つけては、きーきーと騒いでいた。そりゃそうだ、僕たちは今アメリカにいるのだ。テンションが上がらないわけがない。

しかしこのときはまだ誰も、後に待つ恐怖を予測してはいなかった。

いかつい人が次々と入っていきます。

せっかくだからということで、目に付いたてきとうな施設の中を案内してもらうことにした。

通りから少し入ったところに、見るからに屈強な軍人たちがぞろぞろと入っていく施設を見つけた。この建物はいったいなんなのだろうか。

入り口付近には現在の警戒レベルが記されたパネルが設置されている。ちなみに現在は「アルファ」。つまりさしせまった危機はないとのことらしい。ドラマ「24」にはまっている写真家中川氏いわく、危なくなるとレベル「デルタ」が発令されるんですよ、と。

入り口には警戒レベルを記したパネルが。
こちらは新聞の自販機。

なんだこのマッチョなポスターは(ほしいぞ)。
なんだこの筋肉の図解は(ほしいぞ)。

スポーツジムだったのでした。

実はこの施設「スポーツジム」だった。施設内にはウェイトトレーニング場やバスケットコート、卓球場などが完備されている。その一つ一つが実にきれいに整備されていて、名前さえ書けばどれも自由に使うことができるようになっている。

安いのかどうか実はよく分からないのだけれど。

とにかく目に付くもの全てが珍しい。すでに上がりきっているはずの僕たちのテンションも限界を超えてさらに上へ上へと突き抜けていく。寒いのに車の窓を全開にして「おおー、ガソリン安いー」とか「うわーコルベットじゃーん」とか、完全におのぼりさん状態だった。

そんな油断しきった大人たちはこれから事件へとまっしぐらに落ちていくのだった。


 

 
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