冬は生き物がほとんどいなくなる季節だ。
虫とか動物は冬眠するし、植物は枯れるか雪の下に埋もれて消えていく。見るのはせいぜい、家に出てくる名称不詳の虫らしき生物程度しかいない。
しかしこの間、そんな冬でしか見られない生物を発見した。それは雪が降った翌日にならないと現れないキノコ。雪きのこである。
(text by 小柳健次郎)
これが雪きのこ
雪きのこ、という言葉を聞くと、きっと冬にしか見れない希少なキノコだと思う人がいると思うがそうではない。はっきりいうと生物でもない。
ではなにか。それは左の写真を見てもらえば分かる。
意気揚々と天高くそびえる物体、生き物じゃないけれど、生命の強さをなぜだか感じる。そんなものが見えるはずだ。
キノコだ!と思った。初めてこれを見たときは。でもよく見ると、木の杭の上に雪が半球状に積もったもので、本物のキノコではなかった。
とりあえずこの物体を「雪きのこ」と名づけ、しばらく眺めて楽しんだ後、他にこの雪きのこがあるのか、探して(=雪きのこ狩り)みることにした。
短くて小さいのが多い
もっと雪きのこはないか。最初の雪きのこを見つけた公園内でしばらく探してみた。その結果、雪きのこの仲間は見つかったがどうも小粒ばかりだった。
最初のやつをマツタケとしたら、左は未発達のエノキ、右はやはり未発達のシイタケだ。未発達ならこれから成長も期待できるが、彼らはもうこれ以上成長することはないので悲しい。雪きのこに誕生と発達はない。
ただ、短いながらも良い雪きのこはあった。
輪郭が分かりづらいが、雪きのこの傘の部分(雪が積もったところ)がドラクエのスライムみたいになってる。
小さいし短いけども、これはこういう種類の雪きのことしてアリだと思う。きっとあの突起部分に栄養がたっぷり詰まってるんだ。
街の中の雪きのこ
ここまでは同じ公園内で探してたが、案外普通のキノコも街の中にあったりするので、場所を変えて街中で探してみよう。
街中の雪きのこに相応しい、サイバーなキノコたちを収穫した。養殖雪きのことも言えるこれらはどれもでっかい。雪きのこの養殖技術は知らぬ間にかなり発達してるみたいだ。
変り種の雪きのこ
普通のキノコに色々な形があるように、雪きのこにも変わった形のものがある。
イボイボ雪きのこである。いままでの形からはかなり脱線してるが、「見てくれはなんか気持ち悪いけど食べたらおいしいキノコ」見たいな感じだと思ったので収穫しました。
こちらは毛でふさふさの雪きのこ。さしずめ雪きのこ界のバーバモジャだ。