船が波をはじくたびに作られる白い泡。
泡は流れ、再び新たな泡が際限なく作られていく。
その次々変わっていく泡の様子をじっと見つめていると、
いはやは、なんていうか頭の中がぐるぐるする。
意識がおかしなところへ飛んでしまいそうになる。
これはやばい。このままではどうにかなってしまいそうだ。
そして、私は……
酔った
足がふらふらになり、そして妙な何かが胸の奥から込み上げてきた。
要するに、酔った。
私は忘れていた。
船に乗っている時、近くの波などをじっと見るのは自殺に等しい行為だったことを。
途端に気分が悪くなり、吐き気をもよおす。
あぁ、もうダメだ。船室へ戻ろう。横になろう。 |