先日、久しぶりに自宅のCDを整理した。昔聞いていたCDが沢山出て来て、当時の出来事を思い出しながら1枚1枚埃を払ったりした。80年代から90年代初頭にかけて、僕の趣味はソウル音楽に偏っていて、その頃のCDジャケットと言ったらあれだ、シンガーの胸元がはだけている写真が多いのだ。結構なはだけ具合である。ここ最近、寒い日が続いているのでその姿が余計に気になった。風邪引くぞ、と言ってあげたい気持ちでいっぱいだ。
今回は、そんな風邪を引きそうなCDジャケットを集めてみました。
(text by 住 正徳)
僕とソウル音楽
僕が好きだったソウル音楽は男性ボーカルものが中心で、CDコレクションもそのほとんどが男性シンガーのアルバムである。時にメロウに、時に激しく、男性ボーカルの声で歌い上げられると血潮が騒ぐのだ。バラードに涙して、ダンスチューンで盛り上がる。かといってクラブ通いする様な積極性はなかったので、主に部屋で1人で聞いていた訳だが、とにかくソウル音楽は恰好いい。
そんな超クールなソウル音楽のジャケットから、まずは軽くはだけているものをピックアップした。
軽く露出
二の腕強調型のはだけパターンである。視線はいずれも斜め上。遠く未来を見据えながら、二の腕を露出して更に前もざっくりと開けている。2人ともサングラスをかけている、という共通点も見受けられる。
ちなみに右のR.KELLYは僕と同じ年。このアルバムにも収録されている「SEX ME」という曲は94年に大ヒットを記録している。「SEX ME」にはPART1とPART2があるのでどちらも聞き逃さないようにしなければいけない。PART1、PART2を合わせると「SEX ME」は11分27秒にもおよぶ。
左のBABY FACEは素肌にジャケットを羽織りボタンは締めていない。うつむく事により男の哀愁を表現している。一方、右のJOHNY GILLはジャケットを脱いでいる途中にカメラ目線を送った格好だ。JOHNY GILLの裏ジャケットには次のような写真が掲載されている。
パス抜きに失敗したような髪型であるが、これはこの形で正解なのだ。
JOHNY GILLの裏ジャケットを見ていただいた所で、次に、表面でははだけていないのに裏面を見るとはだけているパターンを紹介しよう。
裏面ではだける
表面ではだけていないからといって油断してはいけない。
マービン・ゲイの再来と言われたTASHANである。このアルバムにもマービン・ゲイの名曲「I WANT YOU」のカヴァーが収録されている。
白いスーツに身を包み柱の影から何かを見つめているTASHAN。若干シャツのボタンがルーズではあるが、この程度でははだけているとは言えない。しかし、このCDを裏返すと、
肌着姿でキーボードを弾くTASHAN。はだけ具合としてはそれほどでもないが、肌着姿にインパクトがあったので紹介させていただいた。このTASHAN、89年にリリースされた2作目では表面から大きくはだけている。
次に、AARON HALLのジャケットを見てみよう。
スーツ姿でソファーに腰掛けるAARON HALL。この写真からははだける気配は一切感じられない。が、裏返すと、
素肌にジャケット、前はざっくりとはだけている。しかし、このアルバムのはだけ具合はこれだけでは終わらない。ケースを開けて驚く事になる。
全部脱いでしまっている。もはや「はだけ」というレベルではない。さらに、歌詞カードに添えられている写真を見ると、
いずれも上半身裸である。これがAARON HALLの基本スタイルと言っても過言ではないだろう。
グループではだける
続いてグループで活動する人たちのジャケットだ。RIFFという5人組とSHAIという4人組である。
いずれも左から2番目のメンバーだけ、はだけている。ソウルグループの中には「はだけ担当」という役割があるのかもしれない。そして、はだけ担当の立ち位置は左から2番目と相場が決まっているのだろう。
次に、「THE JACKSONS」のジャケットを見てみよう。
ティト・ジャクソンとマイケル・ジャクソンにはさまれた中央の3人に注目していただきたい。左から右に移るにつれ、徐々にはだけ具合が大きくなっているのが分かる。まさにはだけのグラデーション。ジャクソン5のヒット曲にちなんで、はだけABCと呼んでもいい。
そんなTHE JACKSONSとは対象的に、メンバー全員が均等にはだけているグループもある。H-TOWNという3人組だ。
揃いのブルゾンを素肌の上に羽織る3人。きっとプライベートも仲良しに違いない。
このアルバムにはR.KELLYと同様「SEX ME」という曲が収録されている。R,KELLYの「SEX ME」はスローテンポであったが、H-TOWNの「SEX ME」はアップテンポなダンスチューンに仕上がっている。それぞれの「SEX ME」を聴き比べるのも一興である。
まだまだはだけていきまっしょい
はだけているジャケット写真はまだまだ続く。
表面ではお腹をはだけ、裏面では背中をはだける。こうする事により、表と裏の区別がつきやすくなるという効果が見込まれる。
逆に、BOBBY BROWNは表面で背中をはだけている。
そして、M.C.ハマーはHAMMERに改名して、大きくはだける。
果たしてサスペンダーは必要だったのか。その真意はHAMMERさんにしか分からない。
最後は締まっていこう
はだけた写真ばかりで「はだけ祭り」の様になってしまったので、最後にキッチリと前を締めているジャケット写真を紹介したい。
僕たちは決してはだけません。
俺かい? 俺はハイネックが好きだな。
BOBBY BROWNです。さっきは背中をはだけてすみませんでした。ハイネックが暖かくて良いですね。
ハイネック最高!