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はっけんの水曜日
 
めざせカラオケ日本一(あやしい攻略編)


我ながら、顔、コワイ(マジ本気)

先週、挑戦した「オンラインで日本全国と順位を競うカラオケ」
あまりにも攻略法が分からなかったので、今回、ムキになって一人で6時間ほど歌ってみて、ほんの少しだけ、得点アップ法をつかんで来た。

……と言っても、ファミコンで言えば、「コントローラーのボタンの上で、おはじきを上下に激しくこすって、連射をさせてみる」くらいの、しょぼい力技なのだが。

でも、とりあえずスコアは上がった…!!

(text by 大塚 幸代



■EZ DO DANCE地獄

そんなわけで、一月中旬某日、平日昼間ー。
オンラインカラオケ「うたスキ」が出来るボックスに、私は一人で乗り込んだ。ちなみに休日に行ったところ、昼から満室であった。
どうも流行っているらしい。

今回は「全日本ランキングの上位者が好む曲」、trf の「EZ DO DANCE」を課題曲として自分で決めて、前日から聴き込んで来た。
もちろん大ヒットした曲なので、サビは知っているのだが、全体のメロディはうろおぼえ。歌詞を書き出して原曲を聴き直し、注意点をメモする。
正直、「カラオケのために、特に好きではない曲を覚える」という行為は初めてだ。


うーん、こういうメモを作るのは、バンドの練習とか以来…。

ほか、一応準備したもの。「EZ DO DANCE」等を入れたiPod、レコーダー(結局、録音はせず)、のどぬーるスプレー。歌い疲れた時、フリードリンクの氷を喉に入れて冷やすのもイイらしい。

ネットでの「うたスキ」ファンの意見を見ると、スコアアップには

  • 原曲のキーにこだわるな、自分の音域を探して歌え

というものが一番多かったので、まずはその通りにやってみることにする。

「EZ DO DANCE」は原曲の声が高くて、カラオケ用の標準より#2(2コ、キーが高い)。
私にも高い。
なので、まずは原曲キーは諦めて、カラオケ用のキーを試す。87.681点。
おっ、前回、メロディあやふやなまま歌った時の85.290点よりは、上がっている。
これは繰り返し練習すれば上がるんじゃないか? と、しばらく同じ状況で歌ってみる。しかし、87点代は超えられず。

……そういえば、前回はなぜか、自分の出しにくい、低い音域の曲が高得点であった。じゃあ試してみよう、とキーを徐々に下げてみると、♭2がいちばん高得点で、89点代をゲット。
あ、コレ、行けるんじゃないのか? と、♭2繰り返してみたら91.112点(全国32位)まで上がった。

このキー、私にとっては実に出しにくい、ちょうど喉に負担のかかる音域だ。自分で聴いても、上手くない。
例えて言うなら、

  • パンクバンド(セックスピストルズとか)のボーカル
  • 上野アメ横の、魚屋さんの売り声
  • ジャイアンのリサイタル

この方向性の声だ。とても人にお聴かせ出来ない。しかし……オリジナルキーのほうが、全然きれいに歌えているのに、点数は上がらない…。

 

■ジャイアン攻略法

ガーっとした声のほうが、マイクが拾いやすいのか?
という理屈で言えば、前回歌った可愛いアイドルポップスも、キーを下げて、可愛さや人に聴かせる気持ちをゼロにして、ジャイアン風に歌ったほうがスコア上がるのか? と考え、試してみた。

『ポリリズム』87.386点→91.010点
『赤いスイートピー』88.377点→89.957点
『みくみくにしてあげる♪』87.870点→89.025点

全部、上がったー!(がーん)


あ、ランキング入っちゃった…。真面目に可愛く歌った時は全然だったのに。自分の中で、微妙に「嬉しさ」と「嬉しくなさ」が交差。

ちなみに、一人カラオケでジャイアン風に歌っていると、大変に虚しい。
でかい声で叫んでいるので、通りがかる人に「…ものすごく、ストレスたまってるのかな?」という同情顔で、覗かれたりもした。

ジャイアン以外の攻略法は無いものか? と、手探りで、今まで歌ったことのない曲も試してみた。
いちばん高得点を出せたのは、なぜか、レベッカの『フレンズ』95.339点。
曲自体の平均点が高かったので、「やさしい曲」だったのかもしれない。しかしこの曲も、自分的に歌いやすいキーから、わざと2つ下げて、声のアタリを強くしたほうが、スコアが良かった。


ね、この曲、平均点、高いんです。

 

■とりあえず、まとめ

そんなわけで、うたスキ全国ランキング・チャレンジ歴わずか3回のわたくしが言うのも何だが、この時点での攻略法をまとめると、

  • ジャイアンのように堂々と、でかい声で歌うべし(でかい声が出ない場合は、マイクをなるべく口に近づける)。
  • 魚屋さんの売り声のような、人も振り向く、通る声がベター。
  • ガイドメロディを注意して聴きながら、メロディはハズさないようにする(うろ覚えの曲は、なるべく歌わない)
  • ラップ部分など難しい技術が必要な曲は、口がついていかなくても、とりあえず声だけでも出しておく。
  • 自分のスコアの全体平均点を上げたいのなら、曲自体の平均点が高い、難易度の低い、簡単な曲を選ぶべし(平均点の高い、簡単なテストばかり受けたほうが、得点が取れるということ)。
  • 曲と自分の声の相性があるので、知ってる限りの曲を試すべし。好きな曲が高得点になるとは限らないし、練習し倒してもスコアが上がらない曲もある。

他に、ビブラートを入れると得点が上がる、という噂もあるのだが、今回はそこまでの分析は出来なかった…。

しかし…。
確かに、ゲームとしてはとても楽しい。
マシーンと、オンラインに繋がってる、見知らぬ人々との勝負。
手先が不器用でトロくて、いわゆる普通のゲームでは、何をやってもスコアが出せない私にとって、「初めて、参加出来たゲーム」なので、嬉しいのだ。

でも、いち音楽ファンとしては、点数ばかり気にして、歌う楽しさを忘れてしまいそうになるのが、恐い…。

ーーずっと前に、アーケードゲーム『電車でGO!』の第一回大会に、取材に行った時のことを思い出した。あの有名な電車運転シミュレーションゲームだ。
ハイスコアを出すためには、駅までゆっくり減速して、停車すればいいのだが、
「そうすると、乗ってるお客さんがイライラするじゃないですか。ほら、既にホームが見えてるのに、ノロノロ止まらないのって……嫌でしょう? それは美しい運転じゃないんです。だから、お客様が気持ちよく乗れて、かつハイスコア、っていうのが理想なんです」
と説明され、目ウロコだった事があった。
その場にいた参加者の皆さんは全員、その意見にうなずいていた。全員、エア乗客を乗せてたのだ。

たぶんこの「うたスキ」というゲームも、頂上の人たちの中では、そんな美学があるのかもしれない。ハイスコアかつ、エア観客も感動するような、素晴らしい歌を歌いたい、というような……。

それにしても、疲れた。やはり「ゲームは1日何時間まで」とか、そういったルールはもうけるべきかもしれない。世のお親御さんたちは正しい。


 
 
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