ウルトラな街を視察

まずは「ウルトラな街」祖師ケ谷大蔵の状況を視察する事にした。登戸を「仮面ライダーな街」にする際の参考としたい。

引っ越して以来、約３年ぶりに祖師ケ谷大蔵の駅で降りた。ホームにはドーンと「ウルトラな街」という横断幕があり、駅構内に流れる発車メロディもウルトラマンのテーマ曲だ。何で僕が住んでる時にこうしてくれなかったのだろう。今住んでいる人たちは本当に幸せだ。

駅を降りて商店街を歩いた。かつてはごく普通の商店街であった場所が、すっかり「ウルトラな商店街」へと様変わりしていた。

ああ、やっぱりうらやましい。
早く登戸を「仮面ライダーな街」にしなくては。

仮面ライダーな街にふさわしい場所は別にある

しかし、登戸を「仮面ライダーな街」とするにはそれなりの根拠が必要だ。原作者の家があるとか、仮面ライダーシリーズの制作会社があるとか。登戸にはそういったものが一切ない。過去の文献を調べてみても、仮面ライダーとの関係性は見当たらない。制作スタッフの誰かが住んでいたかもしれないが、それだけでは説得力に欠ける。どうしよう？

登戸から更に3駅ほど町田方面に下れば、「仮面ライダーな街」にふさわしい場所がある。読売ランド前だ。そこには、かつて仮面ライダーシリーズの撮影が行われていた場所がある。東映東京制作所生田支社撮影所、通称東映生田スタジオだ。仮面ライダー関連の資料文献にこんな記述がある。

「生田スタジオは、不自由だらけの撮影所であった。　〜中略〜　当時は、まだ住宅もまばらで、誰もがこんな撮影所から空前絶後の人気番組が生まれるとは夢にも思わなかっただろう。（「仮面ライダー総集版」昭和53年朝日ソノラマ刊）」

仮面ライダーが作られた頃、東映は度重なる組合の撮影所封鎖により、新たな撮影所を探す必要に迫られていた。そこで新しい撮影所として選ばれたのが川崎市の生田だった訳だ。決して恵まれた環境ではなかったようだが、その生田スタジオで仮面ラーは誕生した。まさに仮面ライダーのふるさとと言っても過言ではない場所である。

が、残念ながら、東映生田スタジオは現存しない。
今は駐車場になっている。

子供の頃から今に至るまで、ずっと心を奪われ続けている仮面ライダーが、この場所で誕生したのだ。現地に立つと、その感慨もひとしおである。

辺りを散策してみた。

撮影所跡地から坂道を登り高台に出ると、そこには本郷猛の住まいという設定で使われたマンションが現存している。

外壁などは何度か塗り直しているようであるが、その佇まいは放映当時のままである。

ここに、本郷猛が住んでいたのだ（設定だけど）。しばらくマンションの周りをウロチョロして色々な角度から眺めてみた。

このマンションで悪事を働いた蝙蝠男は、最終的に屋上から突き落とされてやられてしまう。出来れば屋上に登ってみたかったが、洗濯物を干している主婦と目が合ったのでやめた。不審者として通報されたら大変だ。

東映生田スタジオ跡地を訪れ、本郷猛のマンションを見る事も出来た。すっかり満足である。読売ランド前こそが「仮面ライダーな街」にふさわしい。

さあ、帰るとするか。