会社が寒い。 私はたしかに異常な寒がりだが、もう一人は過激な暑がりだ。
社内では日々、姑息な女の戦いが行われている。 仕事というよりも、ヒーターの温度を上げに会社に行っているようなものだ。
これはいけない。私は仕事熱心でもあるし、平和主義者でもある。
「洋服を沢山着る」という策もあるが、そのためにフットワークが重くなってはまずい。
試行錯誤の結果、ハタと思いついた。 秀逸なアイデアは、いつでもトイレから生まれるものだ。
温度設定バトルに終止符を打つべく、トイレットペーパーを身体に巻きつけます。
負けて、勝つわけです。
（text by 土屋 遊）
巻けばあたたかいのだ
私の母も、かつては異常なる寒がりで、外出する時は、8枚くらい重ね着をしていた。母曰く、一枚一枚は薄くても、重ねることで空気の層ができる。それがあたたかいのだそうだ。
ちり紙だって一枚は薄い。破けるほど薄いが、母の原理でいくと、あたたかくなるということになる。
「あたたかい」というよりも、暑かった。トイレットペーパーをカラダに巻く作業は、思ったよりもエネルギーを消耗する。汗で、ちり紙が溶けてしまわないか心配になった。
でもなんだか、パリコレにでてくるオートクチュールのブラウスのように見えないか？
業務にとりかかる
ランチタイムも寒くない
仕事に熱中しすぎたせいか、あっという間にランチタイムになった。
最近では、あまりの寒さになるべくビル内で昼を済ますことが多いが、今日は万全だ。嫌がる同僚を引き連れて、お気に入りのフレンチレストランへ行くことにした。しかも今日はパリコレファッションだ。
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