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フェティッシュの火曜日
 
ぷるぷるネズミを改造して、じいさんと寿司を載せた


先ごろ、ニフティのイベントスペース「東京カルチャーカルチャー」で「大人が遊ぼう!ぷるぷるネズミ!!」というイベントが催され、私も縁あってゲストに呼んでもらった。

右写真のような、モーターで動くロボットを工作しつつお酒も飲んじゃおう、という、ザ・大人なイベント。妙な雰囲気だが実に楽しかった。

ところで私、当日はこの「ぷるぷるネズミ」を改造したものを披露することになっていたのだった。すごいプレッシャーで1週間その作業にかかりきりだった。今日はせっかくなので、その制作の様子を見ていただこうと思う。

(text by 乙幡 啓子



スライディングマウス・ヴァイブレーティングアクション

そもそも「ぷるぷるネズミ」とは、タミヤから出ているアクリルロボット工作キットのひとつ。実は私にはこれが初のロボット工作だ。しかし部品はすべて同梱されているしドライバーもついてるし、構造も単純なもの。思っていたより簡単にできた。


ぼくが、そのぷるぷるネズミです。

お腹にモーターがついてます。足は細い針金だよ。

どのような仕組みで動くかというと、1箇所にオモリのついた小さい円盤をモーターで回し、その振動が脚部の針金(レッグロッド)を伝うとジジジーッと勝手に前進するという、実に単純なものだ。単純だが「モーターの振動だけで」前進するということに気付くこと自体、すごいのではないか。

さて、これをどう改造しようか。あれこれ考える。ぷるぷる・・・でしょ?ぷるぷる・・・だよな?ぷるぷる・・・あれだ!

 

合体じいさん

先にネタをばらしてしまうと、私の作りますものは「ぷるぷるじいさん」と「ぷるぷる回転寿司」。ぷるぷるネズミのガワはあえて使わず、中の機構のみを拝借することにした。

まずはじいさんからだ。ひとくちに「じいさんをぷるぷるさせたい」と思っても、適度なじいさんは市販されていないのだ(もちろん人形の話)。よって仕方なく、じいさん人形を一から作ることにする。材料は、おなじみ発泡スチロールでございます。


ブロックを、おおまかなパーツに切り分ける。何度使ってもこのスチロールカッターは楽しい。
少しづつカッターナイフで削っていく。静電気をまとった切りくずがうっとうしいことこのうえない。
表面は紙やすりできれいに。やすり、ってスチロールにかけられるんですね。
その表面に、壁補修用の水性のパテを塗りつけ、より平らにならしていく。

 

じいさん色に染めて

各パーツを接着する前に彩色。これも楽しい過程だ。

「じいさんってこんな頭だったよなー」
「じいさんってこんなしわだったよなー」
「じいさんってこんな色の服着てたよなー」という、「じいさんのあるあるネタ」を考えつつ塗っていくのが楽しい。


お肌も、じいさん肌にメイクアップ。
じいさんってこんな長袖の薄いポロシャツだったりするよな。

このへんから、本来何をしようとしていたのか忘れる。まるで来年の干支「じいさん」を、家内制手工業でこつこつ作って出荷する家のようだ。ニュースで「師走に入り、ここ乙幡家では猛ピッチで作業が進んでいます」って感じだ。


杖はオモリとして、鉛板を使用。これは本来防振用のものを転用。意外とやわらかいので細工しやすい。
仕上げに、アクリル絵の具用のコーティングを塗って完成。

モーターと電池をじいさんの体内に埋め込み、完成。走行試験を重ね、重心の調整を繰り返す。

ここまでで1週間かかってしまった。あとひとつ、ぷるぷる回転寿司ってやつを作らねばならない。が、ひとつ作り終えたおかげである程度構造がわかってきた。さあどんどん行ってみよう。


 

 
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