これは、武蔵村山市の「三本榎」という史跡だ。「三本」というのは、この乙幡榎のほかにもう2本、奥住榎と加藤榎という木が近くにあり、それらをあわせて三本榎というのだそうだ。
木のそばに立つ説明書きには、この三本榎のいわれが書いてある。
「昔、腕自慢の若者3人が弓の競争をし、放った矢が落ちた場所に榎を植え、めいめいの名前をつけた」
という。
「やったー、オレの矢、すっげえ飛んだ。オレこことった。」「なんだー、オレここかー。」「オレはここだ。じゃ、植えるか、榎」ってなもんか。無邪気ないわれである。
と、うっかり落ち着いてしまったが、実はここに来るまでがけっこうな道のりだった。
未知の街、武蔵村山へ
上の三本榎は武蔵村山市にあるわけだが、問題は交通手段だ。東京にお住まいでも知らない方がいらっしゃるかもしれないが、ここ武蔵村山には「駅」がない。鉄道が通っていないのだ。
さてどうするか。幸い、私は武蔵野方面に住んでいる。自転車でいけないこともないんじゃないか?地図で見ると、日帰りが不可能な距離ではなさそうだ。
じゃあ、行ってみるかね、と軽い気持ちで自転車に乗った。 |