デザインフェスタは「アジア最大級のアートフェスティバル」と謳う催し。今年は6500人集ったそうだ。 プロ・アマが入り乱れ、芸術は爆発系から主婦の手作り雑貨まで。個人的には「大規模フリーマーケット(アート系)」といった印象だ。
(text by 土屋 遊)
アンテナを張り巡らせよう
つねにぼーっとして歩いている。考えていることがあるとすれば、私はいつも時間に追われているので「間に合うか」ただそれに尽きる。
そうして毎日歩いている商店街や、あきあきしている国道も、脳を働かせることでいきなり活気に満ちることがある。
今日は落ちているゴミに注目しようとか、店舗の二階住民に思いを馳せたり、いまではめっきり少なくなった電信柱の数を数えて歩くことで、思わぬ発見があるのだ。
今までは半ば夢遊病者のようにふるまっていたデザインフェスタ(徹夜続きのため朦朧としていたため)で、アンテナを張り巡らせるとどうなるか。ちょっと興味もあったのだ。
ビッとくるものはあるのか、ないのか。本気で興味をそそられる人はいるのか、いないのか。私は今まで、なにか見落としてやしないか。
異空気の女の子たち
居合わせていた友人ら数人と次々に談笑したため、すっかり時間がなくなってしまった。これは幸いした。ズンズンと早足でまわることになり、アンテナが反応する。脳で思うより早く足が「パタッ」と止まるからだ。それにじっくり見学していたら、途中で疲れはて挫折していただろう。
まずはおとぎの国や、浮世絵から飛び出してきたような女の子2組に遭遇。仮装やパフォーマンスをしていた人はたくさんいたが、彼女たちの空間は別格だった。
自らをアピールするのではなく、商品をより引き立たせるために自らを演出する女の子たちのパワーはすごい。 四角いブース(割り振りられるスペース)のすべてをフルに使ってプロデュースしているサマは圧倒される。
つぎは、まさかデザインフェスタで、こんなにもコーフンするとは思わなかった紙切り人たちとの遭遇。