お屋敷のしきたり其の8:執事は懐中時計を隠し持っている
執事カフェは80分制。時間が来ると、ポケットから懐中時計を出しながら「お嬢様、そろそろおでかけのお時間でございます」となる。
おでかけには「乗馬のお時間」「テニスのお時間」「舞踏会のお時間」など、いろんなバリエーションがあるらしい。
私たちのご帰宅時間内にも男性客が1人いたが、じっさいに1割〜2割が男性客。執事オプションをなしにしてもなかなかのサービスと味なので、一度ご帰宅をおすすめしたい。
お一人様も多く、じっさいにYさんもお屋敷内で知り合いになった人が20名近くいるとのこと。週末には地方から1日ぶっ通しで予約を入れているお嬢様もいらっしゃるとか。(じっさい、いた)
と、いうように、他のお客さまのことをお嬢様と呼び合うのは必須事項。もちろん来店のことはご帰宅だ。
お嬢様のべつの顔
80分のお嬢様体験のあと、「んじゃ次、どーする?」となった。
Yさんが挙げてくれたのは「眼鏡男子喫茶、ロールプレイングカフェ、男装喫茶……まだまだいろいろありますよ」と携帯で予約状況を調べている。ほかにもメイド喫茶、姉妹喫茶、乙女カフェ……と、お嬢様はとにかくいろんな顔をお持ちのようだ。
私のメイド喫茶体験から1年、コンセプトカフェ界は日々進化を果たし、ファンは今やストーリー重視の空間を望んでいるようだ。人生に迷える子羊たちを癒すシスターカフェやサラリーマンターゲットの魔女バーなども登場しているし、今週末にはギムナジウムカフェという、少女漫画から飛び出したような新感覚のカフェがオープンする。
機会があればいろんなコンセプトカフェに行って現実逃避に走りたい。Yお嬢様、このたびは大変お世話になりました。これからもぜひともよろしくおねがいいたします。 |