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ひらめきの月曜日
 
築地の業務用自転車がかっこいい
今週(9/24〜9/30)は路上観察記事をお届けしています。

 

こういう自転車を見に行きました。

寿司屋の仕入れ取材などで何度か築地市場にいっているのだが、そのたびに思うのは、「業務用自転車がかっこいい」ということである。

ここでいう業務用自転車とは、仕入れや配達で使われる、黒くて荷台の大きい無骨なやつ。右の写真のような自転車、見たことがある人も多いのではないだろうか。

プロが集う街、築地。ここはこの業務用自転車の使用率がとても高い場所なのだ。

今週は路上観察ウィークということで、今日は魚ではなく、この“路上の動く昭和”こと、業務用自転車目当てに築地にきてみました。朝6時に。

(text by 玉置 豊



業務用自転車がたくさんある街、築地

朝の早い時間に築地駅から市場に向かう途中に、探すまでもなく業務用の無骨な自転車がそこらじゅうに止まっており、そしてたくさんの荷物を積んで走り回っている。

築地場外市場のように通路が細くて人通りが多い場所では、車やバイクなどよりも自転車が大活躍。この自転車がホンダが創業当時に作ったバイクのベース車両のようでかっこいいのだ。


業務用自転車、やっぱりかっこいい。

もちろん普通の自転車も配達などで使われているのだが、やはりちょっと無理がある。やっぱり築地の配達には業務用自転車がよく似合う。


普通の自転車に大荷物だと、ちょっと頼りない。 折りたたみ式自転車に無理のある積載量。これはこれでかっこいい気もする。

消防車や大型トラックなどの働く車はもちろんかっこいいが、ここ築地で働く自転車もまたかっこいいのだ。

 

頼りになる荷台

この自転車、一番の特徴はやはり原付バイクにも負けない積載量。ノーマルでも十分に広い荷台を誇っているが、目的に合わせたカスタマイズをすることで、さらに広がる可能性に注目したい。


ノーマルな荷台でもこの広さ。 見よ、この素晴らしい積載量。

カゴを付けることで、不安定な形状の荷物でも容易に配達が可能に。 鉄板を荷台に用いることで、より安定した配達を約束いたします。

 

広告塔としての自転車

築地で業務用自転車を眺めていると、店名が大きく書かれたものがあることに気が付くだろう。これが自転車ではなく自動車ならばよく見かけるのだが、ここでは自転車に看板を出している。

店員さんは店の看板を背負って取引先へ配達へいくことになるわけだが、きっと誇らしいことだろう。

この自転車だったら、住さんがつくった“絶対に盗まれない自転車”並に盗まれにくいことだろう。


本商店。電話番号入りだ。 鳥藤。おいしいお弁当も置いている鶏肉屋さん。

ヤマザキ。たぶんパン屋ではないはず。 積載性と広告力の両立を果たした好例。

 

業務用自転車とふれあう

これだけ業務用自転車を見続けていれば、ちょっと触ったり跨ったりしたくなるのが人情。とはいえ、知らない人の自転車を勝手に触るわけにはいかない。

そこで、今日また築地市場への仕入れに連れて行ってもらう約束をしていた我が親友(お寿司屋さん仕入れ担当)に厚かましくもお願いをして、知り合いの店舗にあった自転車を触らせてもらった。


「この自転車でどう?」 最高です。一瞬この自転車がある店に就職しようかと思いました。

中学生の頃、兄が乗っていたバイクに跨ったとき以上に緊張をしながら、右足を後ろにグッと上げて、セキネサイクル製のヴィンテージ自転車に跨る。

スタンドで後輪が浮いているのもあるのだが、椅子の位置が予想よりも高くて足の付け根がちょっと辛い。跨ったら足が地面に着かなかった。


ジーパンが突っ張る。 足が短いな。

足をブラブラさせていると、尻がとても痛い。ヤワなシティサイクルと違って、シートがとても堅いのだ。なるほど、跨ってみて初めて気が付く築地で働くということの辛さかな。


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