独自の進化を遂げたかかしたち
この手のコンクール、こういった自由な作品がみどころのひとつであるのはいつものこと。しかし、今回に限ってはなんというか、大半の作品が自由だ。これは自由を謳歌しすぎなんじゃないだろうか。守るべき作物がないからこんなことになってしまったのだろうか。これがかかしのアーバンライフなのか!
これは憶測だが、思うに、10年というコンクールの歴史がこんなかかしたちを育ててきたのではないだろうか。最初はおとなしかったかかしも、誰かが面白いことをやると「その手があったか」と他の人がまねをする。あるいは、「それがアリならこれもアリだろう」と自分のアイデアをぶつける。「これもアリ」「その手があったか」「じゃあこれはどうだ」の繰り返しでかかしは独自の進化を遂げ、かかしの定義を勝手に拡張しながら、10年かけて今の形になったのではないか。
本来の趣旨はそっちのけで、独自にすごくなってしまう。こういう現象を個人的に「エクストリーム化」と呼んでいる。このかかしコンクールはまさにエクストリームを体現するようなコンクールだ。おもわず胸が熱くなった。 |