お茶畑やみかん畑などでよく見かける、農業用のモノレールがたまらなく好きです。 道端にさりげなく出発点があったり、山の斜面をうねうねと走る細いレールを見つけると、何だかもうドキドキしてきます。
いつか乗ってみたいと思っても、恐らくそれぞれが個人の所有なので逆に敷居が高そう。 収穫のお手伝いでもしますから、どなたか乗せてくれませんかねえ。
(萩原 雅紀)
未来ぽくないモノレール
普通のモノレールなら家の近所に多摩都市モノレールというのが走っているし、羽田空港に行く東京モノレールも有名です。上空を滑るように颯爽と走るモノレール。いまだに未来の乗り物というイメージがあります。
でも、あれじゃダメなんです!
こーいうの、こーいうのがぐっとくる!
子供のころハイキングで山に登ったときも、修学旅行のバスに乗っていたときも、ダムに向かってドライブしているときでも、山の中をうねうね走るレールを見つけると目は釘づけ。自分でも何でこんなに惹かれるのか分かりませんが、昔からこの貧弱なモノレールが好きでした。
もし僕が自分の山を持っていたら、たとえみかん農家じゃなくても私財を投げうってこのモノレールを山の中に引きまくります。
何より動力源がエンジン、というのが大きな魅力です。つまり先頭がディーゼル機関車で、後ろに貨車や客車が連結してあって、しかもモノレールなのです!こんな組み合わせ、ほかにないでしょう!? さらにレールの裏にはラックが刻まれ、機関車のピニオンがそれにガッチリ噛み合っています。これで急傾斜でも力強く登って行くことができるのでしょう。
ぜんぜん関係ありませんが、むかし友達と「ラック&ピニオン」というユニットを作ろうとしたことを思い出しました。僕はピニオンでした。
もうひとつ、この頼りなさそうさと、それに相反するレール引きまわしの立体感も魅力のひとつと言えるでしょう。 ものすごい急勾配や急カーブをトコトコ進んでいくモノレールの姿なんて、実はまだ動いてるところを見たことがないのですが、想像するだけで頬が緩んでしまいます。
ところで、実はこのモノレールに乗れるところがあるんです。 さっき「自分の山を持っていたら私財を投げうってモノレールを引きまくる」などと書きましたが、それを本当に実行した人がいるのです。いや、正確には「人」ではなく「自治体」なのですが。