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はっけんの水曜日
 
ネギの追加がタダなんて!〜京都コネタ集〜

(text by 大塚 幸代




京都旅行した時、到着してすぐ、友人が連れて行ってくれた店は、京都で有名なラーメン屋さんだった。
「ネギ多めで!」
彼女はごく普通にそう言った。同じ物を頼んでもらって、出て来たラーメンを見ると、

京都のネギ「九条ネギ」が、もりもりてんこもりであった。
ネギをかきわけ、麺を食べる。うまい。
そのあと、お会計のとき「あれ、ネギの追加って幾らなんだろう…」と思っていたら、ラーメン代だけで、追加料金はなかった。
「ねえねえ、ネギの大盛りって無料なの?」
「京都ではそうですよ、どこのラーメン屋さんも。お好み焼きとかもそうです」
「なんで!?」
「なんでだろ。ネギが安いからかなあ、一束100円くらいだし。…最初、東京来た時、びっくりしましたもん。『ネギ追加するとお金かかるの!?』って」


↑九条ネギ。関東の白いネギより、クセがなくて食べやすい。

…場所が変われば、常識も変わる。
今回はこの「ネギ無料」をはじめ、私が京都で見かけた、超ささいなコネタを紹介したいと思う。

 

■「魚そうめん」がある


「魚そうめん」なるものが、スーパーで売っていた。京都人にとってはフツーの食べ物だそうだが、私はもちろん初めて。うすいダシとワサビが付いていて、かけて食べる。味はかなりカマボコに似ていた(原材料を見ると「たら、ぐち、はも」とあった)。暑い時、食欲のない時などに、良さげだと思う。

 

■ハモを気軽に食べている


観光地として有名な「錦市場」に行ったとき、ハモを見かけた。クシに刺して蒲焼きにしたものを100円で売っていたので、「へえ、さすがに錦市場にはハモがあるんだなあ、白い“湯引きハモ”しか知らなかったけど、蒲焼きでも食べるのか〜」と思っていたところ、

スーパーでも、気軽に売っていた。

生ハモの横に「お料理レシピカード」なるものも置いてあって、いろんな調理法が載っていた。
調べたところによると、ハモは「生命力があってなかなか死なない魚なので、輸送技術が発達していなかったころ、夏場でも生きたまま運べたから、広まった」ものなのだそうで、「めちゃくちゃ美味しいから」という理由が先……というわけではないらしい。いや、美味しいですけども!

 

■京野菜は、地元でもけっこうする


京都といえば、京都独特の野菜、京野菜が有名。「本場行ったら、安いのかな?」と思いきや、スーパーで賀茂茄子1個480円と、それなりに高かった。ネギは安かったのに…。作ってる数自体が少ないのだろうか?

 

■でかい番茶がある


京番茶が、やたらとでかいものが売っていた。ちょっとした枕くらいの大きさ。いっしゅん、買って帰ろうかと思ったけれど、あまりのでかさに断念。ヤカンでわかして飲むのがポピュラーだとか。

 

■でかいお揚げがある


あぶらあげが、やたらとでかい。CDケース2枚分くらいある。なぜこんなにでかいのかは不明。ちなみに京都で「きつねうどん」というと、きざんだおあげが入っているものだそう。また「たぬきうどん」は、あんかけうどんのことだとか。

 

■こんぶ&生麩、充実


さすがダシの地方。関東にはありえないほど、昆布コーナーが充実していた。生麩も多種あった。気軽に食卓にのぼっているのだろうか。

 

■赤いこんにゃくがある


唐辛子が入っているわけではなく、三二酸化鉄という成分(鉄分)が入っていて、赤いのだそう。京都でポピュラーだけれど、もともとは滋賀県の近江八幡ものだとか。

 

■ぶぶづけ=お茶づけ、ということらしい


友人は「京都でも今は『ぶぶづけ』なんて言葉、使わないよ」と言っていたが、とりあえず意味としては「ぶぶ=お茶」で、つまり「お茶づけ=ぶぶづけ」。上の写真は錦市場で売っていたもの。お茶づけ用トッピング食材、だと思う。

 

■「若あゆ」という定番和菓子が人気


カステラ生地で、ぎゅうひをつつんで、鮎の形にしたお菓子。関東にも一応あるけれど、京都ではかなり人気のお菓子。「鮎解禁」の頃、初夏から売り出されるものらしい。地味だけど美味しそう。

 

■山椒がすごく好きらしい


友人宅でゴハンをごちそうになった際、ハモのお吸い物に、大量の山椒が入っていた。お吸い物+山椒を食べるのは初めてだったけれど、かなり美味しかった。ふと、京都は山椒、ミョウガ、ネギなど、薬味(ハーブ、スパイス)とダシを合わせるのが好きな文化圏なんじゃないかな〜、と思ったのだが……違うかしら。

 

■京都独特のお好み焼き「ベタ焼き」


京都の食べ物というと、「あっさり和食」のイメージがあるけれど、意外とこってりしたものが好かれている。「ベタ焼き」は京都のお好み焼きで、具材を最初から混ぜないで、生地の上に乗せて焼くのがポイントらしい(写真は「夢屋」という店のもの、美味しかった…)。九条ネギたっぷりの「ネギ焼き」も美味。ビールと一緒に摂取すべし。

ちなみにこってり系というと、「ホルモン」も人気。

■独特なカレーうどんがある


京都人はカレーうどんも好きらしい。なかでも有名店「味味香」は、独特の味。フツー、カレーうどんは、カレーの匂いのほうを強く感じるものだけれど、「味味香」店内では、強いダシの匂いがして、カレー臭に拮抗していた(!)。ダシVSカレースパイスが絶妙なバランスで、食べたことのない味がした。

 

■中村軒のかき氷は鼻血が出るほどうまい


120年の歴史がある、地元の人に愛されている甘味屋さん、中村軒。私はマンゴーかき氷、友人は黒糖かき氷を食べたのだが、ただの氷のくせに、飛びあがるほど美味かった。とくにマンゴーは「台湾や香港で食べたマンゴープリン」レベル。なぜなんだ、南国でもないくせに! 最後まで美味しく食べられるよう、追加シロップも付いてくる。(中村軒/西京区桂浅原町61)

 

■最近の「ひやしあめ」はナチュラル志向


夏の名物、しょうが風味の飲みもの「ひやしあめ」だが、ケミカルな「真っ赤」なものは売っておらず、どこの店先でも、こんな色をしていた。今は全国的に、そうなんだろうか? とりあえず身体にはよさそうだ。

 

■やたら抹茶味のものがある



よく旅行に行くと、「地域限定プリッツ」など、地域特性を生かして作ったお菓子があるけれど、そういうのではなく、やたらとフツーに「抹茶味」のお菓子がたくさん売っていた。気のせいか? いや、珍しい…よね?

 

■ハート型の昆布がある


100年の歴史がある昆布屋さん、『五辻の昆布』で、おやつ用ラブリー昆布発見。「切り抜いた後の、残った部分はどうするんだろう?」と思っていたら、

残りを安く売っていた。なるほど。
店のおっちゃんが「昆布は寝かせれば寝かせるほど美味しくなるので、買って5年寝かせるといい」「はい、これが若い昆布、こっちが寝かせた昆布」と試食させてくれた。確かに味が、ぜーんぜん違う! でも5年も食べるのを我慢するのは…無理です。

 

■マクドの看板が茶色っぽい


写真だと分かりにくいかもしれないが、本当に茶色っぽかった。景観を壊さないためなのだろうが、黄色は、そのままなので、かえってMの字が目立つような気も…。

■ブレイク寸前、たわわちゃん


京都駅の前にある、京都タワーのキャラクター。何考えてるのか分からない表情がキモかわいい。とくに着ぐるみは大人気で、先日、彦根の大人気キャラクター「ひこにゃん」がたわわちゃんを訪ねた時(イベント名は「たわわチャンMEETSひこにゃん/ひこにゃんが京都タワーにやってきた!Nya Nya Nya」)、京都タワー前は大パニックになったという…。ちなみにたわわちゃんの設定は女子だそうで、憧れは舞妓さん、好きなタイプは背の高い人、だとか。

■バスの椅子の布が和風でステキ


京都はバスがよく使われる町だけれど、椅子の布がイカしてる。観光都市…だから?

■「鴨川デルタ」には石の亀がいる


鴨川で水遊びの出来るポイント、三角州のある京都市賀茂大橋付近を「鴨川デルタ」と呼ぶのだそうだ。暑い日は、水遊びする子供連れでいっぱい。私もヒザまで足をつけてみたりした。渡れるように置いてある石は、四角いもののほかに、亀と千鳥の形のものがある。プリティー。

 

■待ち合わせスポット「土下座前」


これは高山彦九郎という人が、御所に向かって拝んでいる像…らしいのだが、京都の若者は飲み会の集合場所として「じゃ、土下座前で!」なんて言って使っているらしい。彦九郎、ちょっと可哀想。

■あの行為、禁止のための鳥居


時々町中に、このミニ鳥居があるので「これナニ?」と友人にきいたところ、「立ちションしないように貼ってあるんですよ、関東にはないんですか?」ときかれた。私は初めて見た。たしかに、ここでしてしまったら、バチがあたりそうだが…。

■いろんな場所で、ちいさな異文化に触れたいぜ

ほんの小さな違いでも、やっぱり驚きがある。
これからも、違う町に旅をしても、ちいさな異文化に、いちいち注目していきたいと思う。そして旅の楽しみを増やすわよ!

「おくれやす」って言われちゃうと、なぜか照れますね。

 
 
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