この時期は夜でも暑いですね。
寝苦しい暑い夜には、いっそ川原でウナギの夜釣りなんてどうでしょう。
といっても、実際にやるとなるといろいろとハードルが高いと思いますので、今回は夜釣り気分を味わってもらうために、釣りの最中に起こった事柄をレポートしてみます。
今年はあまりウナギ釣りに行く機会がなかったので、今回は朝までじっくりウナギ釣りをする予定です。
深夜の川原、鬼が出るか、蛇が出るか。あるいはオバケか。
(text by 玉置 豊)
本記事はホラー特集に参加しています
18:00 ウナギ釣り開始
今日も昼間は猛暑だったので、日が暮れかけて少し涼しくなってきた頃にウナギ釣りをスタート。
いつもだったら、20時には撤収するウナギ釣りだが、今日は朝まで頑張ってみるつもりだ。
ウナギ釣りの仕掛け
ウナギを釣る仕掛けはいたってシンプル。少しでも釣りをやったことのある人なら仕掛け自体は問題ないだろう。釣ってから食べるまでに若干ハードルがあるのだが。
エサはミミズ
ウナギ釣りのエサはいろいろあるみたいだけれど、基本的にはミミズでいいと思う。
本当は竹藪にでもいって、天然のミミズを掘ってくるのがいいんだけれど、近くでミミズがとれない。そのため仕方なく毎回釣具屋で購入している。
18:30 ウナギが釣れた
竿を出して早々アタリがあり、人差し指程度の太さの小さなウナギが釣れた。ちょっと蒲焼きにするには小さすぎるかな。
ウナギ釣りは一回の釣りで、アタリがあるのはほんの数回、釣れるのは良くて2匹くらいの釣りなのだが、今日は期待が持てるかもしれない。
夜の川原で一人ちょっとハイテンションになる。
19:00 お弁当を食べる
とりあえずウナギが一匹釣れたところで、ホカ弁を食べる。
自然の中で食べるご飯は美味しいとよくいうが、夜に一人で食べる場合は、なんだか味がよくわからない。
ちょっと寂しいので携帯にメールが届くと嬉しい。それが例えスパムであろうと。
19:30 女性の悲鳴と銃声
川を眺めながらボーッと竿先につけた鈴がなるのを待っていると、後ろの方から「キャー」という女性の悲鳴と、「パン!パン!」という銃声がしてきた。
なにか事件かとドキドキしながら振り返ると、若者達が楽しそうに花火をやっていた。ちょっとうらやましい。
花火の音でウナギが逃げないかが心配だ。
20:00 魚のヒレが指に刺さった
ウナギの仕掛けといっても、ウナギ以外の魚も釣れる。良く釣れるのがこのスズキの子供。
針をはずそうとしたら背びれが指にちょっと刺さった。
口に釣り針が刺さっている魚、背びれが指に刺さっている釣り人。
20:30 虫が寄ってくる
さっきまで穏やかに吹いていた風がピタっと止まってしまった。
扇風機を止めた熱帯夜のようになんだか暑苦しい。いつもならもう釣りをやめて帰る時間だ。
風が止まった途端に、蚊が私の血液目指して集まってくるようになったので、虫除けスプレーをたっぷりと振りかける。
ヘッドライトの光りに向かって飛んできた、何か大きめの虫が顔にぶち当たって焦る。
20:45 ガサガサと音がする
ウナギ釣りは鈴の音でアタリを知る釣りなので、常に聞き耳を立てている状態なのだが、夜の川原にいると、結構いろいろな音が聞こえてくる。
川の流れる音、魚が跳ねる音、犬が遠くで吠える音。
川縁の道を走る自転車のチリンチリンは、竿先の鈴の音みたいでハッとする。
足下でガサガサという何かがうごめく音がするので見てみたら、カニが歩いていた。
21:00 UFOが川を上ってきた
ボーッと川を眺めていたら、キラキラと全面光るナゾの物体が川を上ってきた。
すわ、UFOか!と色めき立ったが、よく見たら屋形船だった。
21:30 携帯で遊び出す
ちょっとアタリがなくなったので、携帯でデイリーのサイトとか見て遊ぶ。
しかし、いざというとき(野犬に囲まれた、ここが暴走族の集合場所だったなど)に充電が切れて助けが呼べなくなると悲しいのですぐにやめる。
21:45 クモの巣に引っかかる
ヒマなのでちょっと離れた場所をウロウロしたら、顔にクモの巣が引っかかった。
よくみたら、そこら中に蜘蛛がいたのでさっさと退散。ミミズやゴカイは大丈夫だが、クモとかゴキブリとかムカデは好きではない。なぜなら釣りのエサにならないから。
22:00 本でも読もう
アタリが全然無くなってしまい、ヒマになったので、持ってきた本を読むことにした。
ヘッドライトの明かりで読むハリポタはなかなか趣があるのだが、目が疲れる。
22:15 またアタリがでてきた
本を読み始めたら、急にアタリがでてきた。本を読もうとすると、すぐに鈴がリンリンとなるので、全然落ち着いて本が読めない。きっとそういう魔法がこの本にかかっているのだろう。
今日は釣れるウナギが全部小さいし、アタリがあっても釣れていない場合が多い。この辺は魔法でどうにかしてもらいたい。
22:30 腹が減ったらナイススティック
お腹が減ったので持ってきたナイススティックを食べる。釣りに行くときは汚れた手でも食べやすいナイススティックをいつも持って行く。
このくらい太いウナギが釣りたい。
23:00 この本、一回読んだ
釣りの合間に少しずつハリポタを読み進めて、130ページ目でようやく気が付いた。
この本、一回読んでいる。
23:10 アリが集まっていた
仕掛けのエサを変えていたら、さっき落としたエサにアリが集まっていた。こんな深夜にお疲れ様です。
23:30 ヒュンヒュンと音がする
川の上流から「ヒュンヒュン」と怪しい音がする。
怖いのでこっちも負けずに竿先の鈴を「リンリン」と鳴らす。
オバケかなと思ってよくみたら、シーバス(スズキ)を狙っている人の、ルアーを投げる音だった。シーバスを狙っているオバケかも知れないが。
こんな夜中に魚釣りをしている人が自分以外にいるのが心強い。でも声は掛けない。
そうこうしているうちに、日にちが変わった。