世の中に知っておくべきことは多々あるが、ボタンを押す深さはぜひ知っておくべきだ。
なぜなら、押しボタン式の信号でボタンを押して待っていたら、実はボタンを押す深さが足りておらず、機械がボタンを押されたと認識していないことがこの前あったからだ。短い人生の貴重な数秒間を無駄にしたかと思うと非常にくやしい。どれくらいの深さまで押せばいいのか分かっていればそんなことにはならずに済んだのに。
だからボタンを押す深さは知っておくべきだと思うので、巷のボタンはどれくらいの深さなのか、調べて回りたいと思います。
(text by 小柳健次郎)
ボタンの押す深さとはこんなのです
「ボタンを押す深さ」なんて言われても、そんなのいままで意識したことがない人はピンとこないはずなので、調べに行く前にここで説明しておきます。
こうしたボタンの押す深さをこれからは「ボタン深度」と呼ぶことにする。そしてボタン深度を測る計測器がこれだ。
このボタン深度測定器は、目盛りをプリントした紙をスチロールに貼ったもの。単位はミリメートルで、30ミリの深さまで測ることが出来る。
右の写真の目盛りを読むとこのテレビのボタン深度はちょうど4mmである。
これでテレビのボタンを押すときに必要な深さははっきりと知ることが出来た。これからはしっかりと4mm押すことを心がけていこう。
ではボタン深度を調べます
ボタンを押す深さに関しては理解していただけたと思うので、それでは巷のボタン深度を測りにいってきます。
しかしいきなりボタン界の変革の波に襲われることになってしまいました。
すっかりボタンといえば先ほどのテレビや信号のボタンのような、押すと深さがでるタイプのボタンばかり考えていたが、こういった出ているタイプのボタンもあったんだ。というか最近はこういうタイプの方が多いんじゃないか。
これではボタン深度測定器を押し込んで深さを測ることは出来ないが、しかしボタンの押す深さは分かる。このタイプのボタンは出ている分だけ深く沈むはずだから、その出ている部分の長さを測ればいいんである。
これで自動販売機のボタンを押す深さは分かった。これからはジュースを買うとき、1mm押すということをしっかり胸に刻んでいこう。間違っても0.5mmとか押さないようにしよう。
証明写真のボタンは便秘薬だ
ボタンの押す深さを数値で表すだけでもとてもためになるが、深さを別のものでたとえるとまた違った世界が見えてくる。
証明写真のボタン深度は3mmだった。ということは厚さが 3mmのものを押しこんでいるのと同じことではないか。 3mmのものと比べてみよう。
これをボタンに合わせると...
普通の生活の中で、証明写真のボタンを押す深さと便秘薬の厚さが同じだということをいったい誰が気づくだろうか。
もちろんそんなことに誰も気づかなくていいのだが、一見なんの関連もないようなものがこのように意外な場所で繋がっているということは感動的ですらある。
いろいろなボタンのいろいろな深さ
ここからは調べたボタンの深さを連続で紹介します。これらのボタンを押すときの参考にしてくだされば幸いです。