近所の住宅地を歩いていると、ずいぶんと分不相応なものを発見した。
それは駐車禁止の立て札の土台に車のタイヤが使われているもので、その大きさのあまりの不釣り合いにより、タイヤに比べて立て札がものすごく分不相応なものになってしまっいてとても可笑しい。
「分不相応」という言葉には批判的な意味があるが、このように「分不相応な物」は滑稽でおもしろいのではないだろうか。なのでもっと分不相応な物を探そうと思います。
（text by 小柳健次郎）
分不相応すぎる。
分不相応な物とは、ソレに対してコレはないだろうというような物のことである。うまく言葉に出来ないが、つまりはこういうものです。
なにがあってこうなってしまったのか他人には知る由もないが、このように二つ以上のものが組み合わさっており、その二つがやたら合わなすぎて可笑しなことになってるものを分不相応な物ということにしたい。
分不相応な物を探そう
最初の分不相応な物は近所の住宅地で見つけたので、分不相応のもの探しは住宅地をメインにしていこう。
そして住宅地に行ったわけだが、見つけたものはどれも微妙で判断に迷うものばかりだった。
まず左写真の植木なのか何なのか分からないもの。植えられている植物は貧相で、これをレンガで囲むというのは分不相応だ。しかしそのレンガも同じようにみっともない並べ方で分相応ともいえるから、分不相応な物というにはかなり気が引ける。
グタグタの三角ポールに塀の切れ端みたいなものが重しに使われているものについては、完全に分相応である。
なかなか胸を張って「どうだ。分不相応だろう」という物が見つからない。最初の分不相応な立て札を見つけたときは、こういったものは世間にもっとたくさんあると思ったのに。
きっと分不相応な物というのはとても貴重な物なんだと思う。「分不相応な物は滅多に見つからない街のダイヤモンド」。そういうことにしたい。
貴重な貴重な分不相応たち
そんな街のダイヤモンドである分不相応な物たち。知ってる町やら知らない町を、一両日中、右往左往して集めたものをここに公開したいと思います。ちょっと厳しめのもありますが、なにせダイヤなので寛大にお願いします。
みんなちゃんとしている
推測でしかないが、分不相応な物というのは人の怠慢によって発生する物だと思う。最初の、タイヤが土台に使われてる物だって、適当な物が見つからず「いいやこれで」ぐらいの気持ちでやったままのが残っているんだろう。怠慢の産物である。
そう考えると今回あまり見つからなかったのは、世間の人々が横着せず真摯に世界を生きているということでもあるのかもしれないとか言っておきます。
バックナンバーいちらんへ
バックナンバーいちらんへ