ゼリーを作るアレ、ゼラチンでレンズが作れると聞いた。
……。
そういえば使い捨てコンタクトがもうすぐなくなりそうだ。
賢明な読者ならもうお察しのことと思うが、そうでなくてもお察しのことと思う。
ゼラチンで、コンタクトレンズを作ります。
失敗したって食べちゃえばいいし。
(text by 土屋 遊)
ライバル対決:2種類のもとで作ろう
コンタクトレンズにも、ハードとソフトがあることはご存知だろう。
私も2種類用意した。
動物のコラーゲンを抽出したゼラチンと、海藻テングサなどからできた寒天。このふたつだ。
ゼラチンと寒天はライバル関係にあるとにらんだ。
お菓子界では圧倒的な知名度を誇るゼラチンだが、対するは"植物繊維"。昨今の健康ブームに、心中穏やかではないはずだ。寒天だって日本発案という意地があるだろう。
パッケージに書いてある作り方も少しちがう。
本当のところはどうでもいいような気がするが、両者のプライドに敬意を表し、それぞれが主張する作り方を忠実に守ることにしよう。
動物ゼラチンと植物寒天。まったく異なる種類でありながら、最終的にそっくりな口当たりの食べ物になったりレンズになったりする不思議。
自然の神秘もすごいが人間のちえもすごい。どちらがよりすごいか思い巡らせそうと思ったが、あっという溶けてしまったのでやめた。
コンタクトレンズケースでコンタクトを作ろう
コンタクトの型、これにはしばし迷うこととなった。凹面がなくては、レンズにならないからだ。小皿、サランラップ、小さいスプーン……。
ぼんやり考えながら、コンタクトを観察したらなにかアイデアが湧くかもしれない……とレンズケースを取り出してみたら、ありました。凹面。灯台下暗し。
ケースから取りだそう
市販のコンタクトをケースから取り出す時も、レンズを落としたり破いたり、ロクなことがない。もたもたしているとこの暑さで溶けてしまう。取り出しには細心の注意をはらわなければならない。
冷蔵庫で冷やすこと5時間あまり。理想的な固さになった。