思い出のちり紙焼
私の通った学校では、ストーブの上に、濡れたちり紙を置いて焼くのがなぜか流行っていたことがある。あの独特で妙な臭いは忘れられない。たしかにあれも意味がない行為だ。
「アレだ!あれか!」
と、ムダな確信をして、大量の紙を水で濡らして「濡れマツタケ」を作ってみた。ヤケクソとも言えるだろう。
今度は火が一向につかない。燃えるどころか臭いさえしない。
そうだ、一晩おいて、乾かせばいいんだ。
取り憑かれたように前向きだったが、いつになく早く寝たかったということもある。
頭が痛く、息苦しい。
呼吸はどんどん浅くなり、苦しくて横になるのも辛くなっていた。
大笑いしたときに喘息になったことがあるが、まさか……。
真剣に「救急車……」と思いつつ、なにもかもあきらめて寝た。 |