今からおよそ70年前、長崎は島原半島を小浜温泉へと向う鉄道があった。昭和13年に廃止。 レールがあったところは、現在道路となっている。
何も知らないでそこを通ると、 「なんか妙に道幅狭いなー」 くらいで通り過ぎてしまうかもしれない。が、 いったん廃線跡だと言われると、もう 「バリバリ廃線跡だよ!!」 と思うほど面影の残っている興味深い道だった。
そこをドライブに行ってきました。
(text by T・斎藤)
道の駅ではない
国道沿いにこんな看板がポツンと立っている。 「駅の看板を模した、道の駅の看板かな」 と思ってしまいそうだが、これがかつて鉄道がここを走っていたことを示す石碑だという。
長崎市から小浜(おばま)温泉へと向う国道251号線。 国道沿いに走っていると、これが現れる。
線路があった道はやがて国道をそれ、海岸沿いの細い道へと進んで行く。すると、一気に廃線跡っぽさ抜群の道が迫って来た。
運転士気分が味わえる道
線路だ! ここは元々線路があったところだ!
そういうムード満点な道で、運転していて嬉しくなってしまう。
道幅の微妙に狭い感じがリアルだ。
こ、このトンネル!! 廃線跡でなければ絶対ありえないような、機関車にジャストフィットのトンネル。かっこいい。
やはり幅が狭いので、トンネルの中では車がすれ違うことができない。対向車が来たら入り口付近で待つことになるのだが…
しかしこんな先の見えないトンネルも登場する。
トンネル内は暗く、明暗差があり過ぎるため、外からだと中の様子がぜんぜんわからないのだ。
対向車が来ないことを祈りながら、速度を落として恐る恐るトンネルに入る。
一方通行じゃないのが信じ難いくらい。 さすがは廃線跡だ。
ここでもし対向車が来たらどうするのか…?
どちらかがバックしてトンネルから出て道を譲るしかない。 私が通った時は、行きと帰りで計3回トンネル内で鉢合わせになってしまい、2回は相手にバックしてもらい、1回は私が戻った。廃線跡、けっこう大変である。