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ちしきの金曜日
 
小型船舶免許を取りにいってきた

まだ結び方が怪しい

現在、実技講習がおこなわれる会場へと向かっている電車内なのだが、未だにロープの結び方を練習中。時間がなくて、という言い訳の無意味さは重々承知しているのだが、時間がなくて。


人差し指に巻結び。 手すりに錨結び。

 

実技試験会場は江戸川

小型船舶というと海の乗り物のイメージだが、実技試験会場は江戸川。レジャーボートより屋形船が似合う土地柄だが、私としてはどんとこいだ。


江戸川。

川沿いにある建物内で受付を済ませ、早速ボート乗り場へと進む。


ボートセンター。 写真にロールオーバーでネコにタッチだ。

 

先生は堂福先生だった!

ボート乗り場で私を待っていた先生は、なんと学科講習でお世話になった堂福先生ではないか。やったぜ。


「プロペラだ!」

ああ、このキッパリと言い切る口調が懐かしい。今日は風がめっぽう強いのだが、この先生ならきっと大丈夫。講習が終わる頃には、私はきっと立派な船乗りに成長しているはずだ。

 

ボートに乗り込む

桟橋を渡って、お風呂で遊ぶオモチャを大きくしたみたいな教習用のボートへと向かい、ライフジャケットを身につけて乗船する。

今回の実技教習は、私以外にもう一人生徒がいるので、計3名での船旅だ。


ボートの運転がすごい楽しみ。 おもちゃっぽい教習艇。

今まで、大きめの釣り船には何回も乗ってきたけれど、このサイズのボートに乗るのは初めてなのだが、桟橋に繋がった状態でもグワングワンと揺れまくる。


揺れる揺れる。

でもハイテンションだから酔わない。

 

船の部位を覚える

船に乗ったらすぐに出船、ではなくて、まずはコックピット周辺やエンジンルームの各部位の名前と使い方の説明から。


エンジンルーム。 コックピット。ブレーキがない!

そして、ようやく桟橋から船をだす「離岸」。船体の安全などをしてから、ロープをほどいて出船だ。


「船尾よし!」と、声に出す。 離岸だ離岸。悲願の離岸。お彼岸じゃないよ。

 

出船

まずは先生の運転で、川の中央まで移動。ボートで江戸川クルーズ。もうこの時点で楽しい。すごいワクワクしてきた。


サングラス。 「右手は時計の二時の位置、左手はリモコンレバーだ!」

さようなら、日本。 風が強いぜ。

 

教習スタート

桟橋から少し離れたところで、先生から生徒に運転手が変わり、とうとう教習がスタートだ。

自分で運転席に座ってみてわかったのだが、ボートって水上の一カ所に止まっていられない乗り物なのだ。構造上ブレーキというものがないので、風や流れにドンドン流されていく。

車とまったく違うこの感覚に頭が若干パニック気味。


流される〜。

ろくに止まっていられないような乗り物なので、ただまっすぐ進むだけでも、微妙にハンドルの向きを調整しながら進まないと進路がずれていく。しかし難しいだけに、運転していて楽しい。

今、ちょっとだけ加山雄三の気持ちがわかった気がする。幸せだなぁ。

 

結構なスピードで練習する

ある程度基本的な操作ができるようになったら、今度は応用編として、蛇行運転をおこなうのだが、これが凄かった。

まずは先生のお手本。教習レベルの運転なので大したスピードは出さないと思っていたのだが、カーブで船体が30度斜めになるようなスピードで水面に浮かんだブイを縫うように滑走していく。競艇レース場か、ここは。


怖い怖い怖い怖い。

これを今日初めてボートの運転席に座った私達にやれと。

やるさ。


一緒に教習を受けた人の運転。

あ、できてる。

この後、私が運転しても、ある程度は思い通りにボートが進んでくれる。もちろんこんなレベルで自分の運転技術を過信してもしょうがないのだが、当初イメージしていたよりもうまく運転できている気がする。なんだかこのまま海まで滑走したくなってきた。わーい。

 

試験科目の練習

前進、後進、滑走、変進、蛇行と一通りの運転ができるようになったら、次は実技試験でかならず出るという、人命救助や着岸、離岸などの練習をおこなう。


あれが人の代わり。ゆっくりと近づいて救助する。 「救助しました!」

うん、やっぱりさっき蛇行をやったときに、「思ったよりもできる!」とか思ったのは間違いだった。


桟橋に着岸。これが縦列駐車のように難しい。 ボールペンをボートに見立てて、「こうだ!この角度だ!」

ボートという乗り物は、ゆっくりとしたスピードのほうが舵がきかないので、運転が難しい。スピードが出た状態での操船は、誰でもある程度できて当たり前だったのだ。ちくしょう、船をなめていたぜ。

着岸、離岸を時間いっぱいまで延々と繰り返し、どうにか形になったかなというところで実技講習は終了。学科講習の時以上に脳みそがいっぱいいっぱいになってしまった。でも初めてのボートの操船、とても楽しかった。


クリーク結び。これは覚えたのだが。 実技講習終了。

ありがとう、堂福先生。なんだか講習でいっぱいボートに乗ったので、もうだいぶ満足してしまった。いや、試験いかなきゃ。

合格しました

実技講習を受けた数日後、学科、実技の試験を受けてきたのですが、どちらも合格率が90%以上であるという理由が、試験を受けてみてわかりました。

学科試験はほとんどが過去問題集に載っている内容だし、実技試験は3人いっぺんの試験なので、他の人の運転を見ることで落ち着けます。それに、そもそも試験官が「できるだけ合格させよう」というスタンスで採点をしているみたいなので、ちゃんとボートスクールで講習を受けて、教本を読み込んでおけば国家試験といえど、それほど難しくはないようです。

ネットで確認!合格!めでたい!

講習と試験でたくさんボートを運転したので、すっかり満足してしまったのですが、せっかく取得した免許なので、期限が切れる5年後までに一回くらいは船を借りて海に出ようと思います。

■取材協力:JACSボートライセンススクール
  https://www.jacs-boat.gr.jp/


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