もったいないから、いつも捨てずにむしろとっておいて最後にかぶりつく。アイスのふたについてる部分のような扱いをしてきたのだ。
それが今になって「そこは別に甘いわけじゃないんですよ」といわれても、こっちの引っ込みが付かないじゃないか。
蜜の仕組みとは
一体どいいう了見なのか。うろたえる気持ちを落ち着けて、じっくりその理屈に迫っていこう。
そもそも、りんごの蜜というのは日光を受けた葉から枝、そして実へと集まるソルビトールという成分らしい。
ソルビトールは酵素の働きで果糖などに変わり、実の全体に回っていく。この段階ではまだ「蜜」は実にたまっていない。
いよいよ実全体に糖質がめぐり完全に甘さが充填されたころ、ソルビトールを果糖(ショ糖などにも)化する酵素の働きが弱まる。
すると、余分となってしまったソルビトールが細胞と細胞の隙間にたまる。この、余分なソルビトールが我らがザ・蜜なのだ。 |