買ったけど使っていないものが家にたくさんある。具体的な使いみちをすぐには思いつかないけど、でも 「いつか使うだろう」と思って買ったものだ。
それとは別に個人的な話で恐縮だが、先週から腰が痛い。そとに出るのが辛い日々である。いまこそ家にある「いつか使う」ものを使う日ではないだろうか。「いつか使う」の神様(いたのか?)が与えたもうたチャンスかもしれない。
今回は買ったけど使わなかったものを次々と使いたいと思います。(林 雄司)
使ってないもの その1 テトラポッド
本来は鉄道模型用の素材だが、僕は鉄道模型の趣味はない。小さいテトラポッドの形状に惹かれて買ってしまったのだ。いまの言葉でいえば「萌え」かもしれない。
しかし、いったいいつ使うというのだ。
テトラポッドで調べてみると本物の商品紹介のウェブサイトにたどりついた。パンフレットに積み方が紹介されているが、あ、ここで使われているのは僕が持っているのと同じ模型ではないか。
急にいいもの買った気がしてきた。たしかこれを買ったときもそんな錯覚を覚えたのだ。すごくいいものに見えたのだ。パンフレットを参考にしつつ並べてみた。
防波堤にきた女をイメージして人形(これまた鉄道模型用) を置いてみたが、人形の縮尺があってない。これでは海から巨大なアンニュイ女が現れたみたいだ。
このテトラポッドにあった人形を買ってこようかと思ったけどまた要らないものが増える気がしたので思いとどまった。
使ってないもの その2 デジタルノギス
次は形状と名前に惹かれて買った計測器である(テトラポッドはあれでもう使ったことにしました)。
デジタルでノギスである。その言葉のアンマッチさがすばらしい。「環境ホルモン」みたいだ。無骨な工具に唐突に液晶がついているのも松本零士が描くメカみたいでかっこいい。
これさえあればなんでも厚みが分かる。だが、問題はふだんの生活でノギスを使う機会がまったくないことだ。
新聞紙は0.06ミリ!
なるほどねー。となにがなるほどなのか分からないがとりあえず数をこなせばなにか見えてくるかもしれない。