全世界一のカステラ消費量を誇るカステラ帝国・長崎では、食パンの耳みたいなノリで、カステラの切れ端が売られている。
これ、カタチは不揃いだが、安い上になぜだか妙に美味しく感じられ、私は大好きだ。むしろカステラ本体より好きと言ってもいい。かみさんも同じく、「本体より切れ端の方が好きだ」と言っていた。しかも安い。
…なにやら書き出しのリード文だけで全てを言い尽くしてしまった感もあるが、今回はそのことが読者のかたにもっとちゃんと伝わるように述べたいと思う。
(text by T・斎藤)
こんな感じで売っている
長崎ではなにしろカステラ屋が多いので、切れ端は実にフランクにそこかしこで売っている。 値段はタイトルにもあるように200円〜300円だが、安いものだと100円台というのもある。
と、書いたそばから、上の写真をよく見るとどちらも300円を超えている。おかしいなぁ。
まぁ、いろいろあるので細かいことは気にせず、大らかな気持ちで読み進めて頂きたい。
これが切れ端だ!!!
ではさっそく切れ端とはどういうものか見てみよう。 これがカステラの切れ端である。
たしかこれは、100円台(105円とか130円とか)で買って来たものだ。このようにラップに包まれたり、ビニール袋に入って売られている。
いわゆるカステラが贈答用として、ある意味無駄な装飾を身につけているのとは対照的な、軽快なフォルム。
謎に包まれたメカニズム
切れ端はもちろん基本的にはカステラなのだが、不思議と濃縮されたような旨さがある。端っこだから砂糖が寄ってきたりするのだろうか?しかし、底の方にザラメが集まるのはなんとなく理解できるが、サイドに成分が集まるというのはメカニズムがわからない。
ひょっとすると単に気のせいなのかもしれないが、いずれにせよ、切れ端が妙に美味しく感じられることだけは事実だ。
横から見たところ。この不揃いさが切れ端の証。
じっと眺めているうちに、世界遺産にも登録されているイギリスの謎の巨大遺跡、ストーンヘンジをも彷彿とさせる。
続いて別のタイプも
続いて別のタイプも見てみよう。 こちらは切れ端の代表的な形状である、縦にざくりと切り落としたタイプ。
緑のは、抹茶カステラ。 抹茶の方はよく見ると2枚の切れ端を合体させて1枚にしている。
写真のサイズが無駄に大きいのは、私の“気持ち”です。
切れ端の世界
ところで、カステラの味にもいろいろあるように、切れ端にもいろいろある。私が最も好きな切れ端は、松翁軒というところのもので、これは4,5枚の切れ端をドッキングさせて、普通のカステラ一斤分のような形状にして売っている。端っこをドッキングさせて1コにしているのだ!!